井上 純一「中国嫁日記 ママたいへん編」
「中国嫁日記」は、TPRGデザイナー、フィギュアプランナーでマンガ家というオタク要素完備だった井上純一さんが、縁があって中国人の月(ゆえ)さんという方と結婚することになった時からのいろいろな出来事を描いたエッセイマンガです。
「中国嫁日記」は、もともとブログで連載されていたお話で、リアルタイムで読んでいました。
外国の人と結婚して不幸になったという話もいろいろあり、井上さんも人を信じすぎるタイプの人なので、初めのころは少し心配しながら読んでいましたが、読むほどにこちらが幸せになってきて、二人を応援する気持ちだけになりました。
国籍が違うゆえの問題だけでなく、実家の家族との関係や、日々の習慣の違いを埋めて行く様子、時々ぎごちなく歩み寄ろうとする井上さんと、それをおおらかに受け入れる月さんを見ていると、日本人同士で結婚している自分たちと何も違うところがないと気づきます。
国籍も、性別や年齢差などの多様性の一つでしかなく、お互いが理解しあえていれば、乗り越えようとしなくても簡単に越えられる要素の一つでしかないとわかります。
あらゆることに、かまえることなく前向きに進んでゆく月さんと、いろいろと心配しまくりながら問題にぶつかっていく井上さん。
井上さんは異性とのつきあい経験まったくなしと豪語するだけあって、カップルがつきあう時に生じるトラブル、すれ違いの一つ一つにまじめに取り組んでいます。
これはパートナーとの間に違和感を感じてきている方も読んだ方がよいレベルの教科書になっています。
前置きが長くなりました。
今度出た「中国嫁日記 ママたいへん編」は、そんな二人の子育て編です。
読むほどに、うちでもさんざん経験した出産から育児の楽しくも苦しい体験が、嫁日記のときと同じように、 こと細かに語られます。
「ああ、こんなことあったな」
「これこれ、本当にそう!」
むくみや実家の親のヘルプのありがたさ、何をやってもかわいい子ども、這い始めてからの恐怖など、自分たちの子育てを追体験してしまいました。
それだけでもおなかいっぱいなのですが、この本では月さんの強い要望で家の購入に踏み切ります。
そこでもいろいろ大変な目に遭うわけですが、やはりいい担当の人に会えることでさまざまな問題は解決してしまうものですね。
子育ては子どもが独立するまでそれぞれのフェーズで大きな問題や事件が起こります。
井上さんと月さんがそのイベントを楽しんでクリアできることをお祈りします。
ちなみにいちゃラブ嫁日記の方は、これとは別に今後も続くそうです。どれだけしあわせなんだか...