今週のお題「2020年上半期」
暑いです。蒸してます。歩いているだけでバッタリと死にそうです。
梅雨が明けて本格的な夏が来ると、今年も40℃越えの日々が来るのでしょうか。夏休みの短くなった学生さんたち、くれぐれも死なない程度にお過ごしください。
それでも私は夏が一番好きなんですが。
前回は2020年上半期に読んだ本をご紹介しましたが、今回はマンガをご紹介します。
調べてみたら、2020年の1月から6月までの間に180冊以上のマンガを買っていました。本は40冊くらいなので、4倍以上です。
その中から選びに選んだのが以下の10作品です。
- 蒼き鋼のアルペジオ(19)
- 児玉まりあ文学集成(1)
- 妄想テレパシー(7)
- 虚構推理(1)~(12)
- JJM 女子柔道部物語(8)
- 偽史山人伝
- 悪いが私は百合じゃない(1)
- バーナード嬢曰く。(5)
- メタモルフォーゼの縁側(4)
- JKども、荒野をゆけ(2)
それぞれ傾向が全く違うマンガですので、順位はつけらませんでした。「なんだこれ」と思う人も多いでしょうが、私にはこれらがいちばん印象に残ったということです。
蒼き鋼のアルペジオ(19) Ark Performance
流行りものだと思って手を出さないでいたのですが、読み始めたらあっという間にファンになってしまいました。
18巻ではとりあえずタカオ・アタゴペアとハルナ・キリシマペアの戦いから始まり、霧の艦隊の核心に触れる情報公開が行われようとします。
このお話がどこに向かおうとしているのかにも興味はありますが、私にとってはメンタルモデルを持った艦がさまざまな思惑で絡み合うのを見ているのが好きなので、なるべく長く続いてくれるとよいなと思っています。
とりあえず、キリシマは熊の姿でいてくれた方が違和感がないのですが。
児玉まりあ文学集成(1) 三島芳治
この作品は同人誌のようなテイストを持っていますが、完成度が非常に高く、ところどころにぎくりとするような引っ掛かりがあります。
もう2巻も出ているのですが、相変わらずザワザワさせてくれます。
妄想テレパシー(7) NOBEL
最終巻です。もっと長く続いてほしいお話だったのですが、とてもきれいに終わってくれたので満足です。
この作品について言えることは、とにかくマナちゃんがかわいいということです。彼女のような友人がいてくれれば、人生は全勝モードです。
虚構推理(1)~(12) 城平京(原作)、片瀬茶柴(作画)
原作小説は読んでいたのですが、小説のマンガ化は残念なことが多いので、見る気がありませんでした。
アニメ化され、原作小説の新刊が出た折に、その巻末に載っていたマンガの広告を見て、おもしろそうな気がして買ってみたらとても面白くてびっくりしてしまい、すぐに全巻を注文してしまいました。
主人公の岩永琴子も桜川九郎も、私の持っていたイメージとは違っていたのですが、イメージがマンガのキャラクターで上書きされてしまいました。あまりこういうことはないのですが、片瀬さんのキャラクター造形力が優れているのでしょう。
次巻の雪女の話のオチが見たくてたまらない今日この頃です。
JJM 女子柔道部物語(8) 小林まこと
小林まことさんの「1・2の三四郎」、「柔道部物語」 は、青春スポーツものの中でトップクラスにおもしろい作品ですが、その作者が今度は女子柔道部のお話を書くとは... そしてめちゃくちゃに面白いんです。
主人公の神楽えもは、高校に入って初めて柔道をすることになったのですが、生来の負けん気でどんどん実力をつけていきます。
柔道や格闘技をやっている人あるあるのつるべ打ちで、先を読むのが楽しみでしかたなくなります。
「青春少年マガジン」を読んだ時は、泣けてしまって仕方なく、「ああ、これは小林まことさんの絶唱だ」と思い、確かにその後彼がマンガを描くことはなかったのですが、2016年になって、アトランタオリンピックで日本女子柔道界初めての金メダルをとった恵本裕子さんとご近所になったという理由でこの作品を書き始めた時は、開いた口がふさがりませんでした。
この作品の新刊が出るのが本当に楽しみです。
偽史山人伝 詩野うら
とても不思議な作品ばかりなのですが、私は確かにかつてこんな世界にいました。
読むほどに沈み込んで、この世界に帰ってくることができなくなりそうですが、それも悪くないと思ってしまいます。
表題作の偽史山人伝は、本当にあったかもしれない山人の歴史を書いたお話で、遠野物語など、民俗学の好きな人なら深く読みこめてしまいます。
静かに抑えられた語り口がとても好きです。
悪いが私は百合じゃない(1) もちオーレ
「ゆりなつ -民宿かがや-」や「出会い系サイトで妹と出会う話」 のような百合のお話をよく書く人なんですが、この作品はしっとりなしで、バカ明るいお話なので惹かれてしまいました。
主人公は人としてダメだし、計画性はないし、すべて行き当たりばったりで、とんでもない女の子なんですが、それらも含めてすごくバカかわいいのです。
かなりエッチなので、読むときは心して読んでください。
バーナード嬢曰く。(5) 施川ユウキ
主人公の町田さわ子は、本を読むと知的に見えそうだから、なるべく苦労しないで本好きの雰囲気を出そうとするエセ読書家なのですが、最新刊になるとけっこう普通に本を読んでいるのが成長を感じさせられます。
この巻では、SFマニアで本好きの神林さんの「『読まないといけない本』なんて この世界には一冊もないよ」というセリフが秀逸でした。
放課後、常連以外のあまり来ない図書室という空間がとても心地よく描かれています。
メタモルフォーゼの縁側(4) 鶴谷香央理
もう4冊目になってしまった、75歳の雪さんと高校生のうららさんがBLマンガを通じて交流していくダイバーシティマンガです。
雪さんの柔軟さと、人生経験から来る気づかいと、人と交流するのに慣れていないうららさんが、それでも雪さんのためにいろいろできることを見つけようとするのがとてもやさしいです。
BLというコンテンツを通じて、新しい世界に挑んでいく二人が、とても愛しいお話です。
JKども、荒野をゆけ(2) 時田
きわものかと思って 読み始めたのですが、とても骨太でしっかりしたお話でした。
たくさんのキャラクターがそれぞれの思惑で動きながら、それが絡み合って一つの結論につき進んで行くのが爽快です。
間違った思いやりもそれはそれで大事です。
次点のマンガたち
激烈な選考の嵐の中で、上の10点が選ばれましたが、ほかにもおもしろかったものは山ほどあります。
最後まで争った作品もご紹介しておきます。
永世乙女の戦い方(2) くずしろ
将棋マンガですが、とても殺伐としています。
一つのモノに集中して、その世界だけのために生きていく人たちが、自分勝手な何かを達成するために、将棋を通して戦います。
月下の騎士を読んだ時のような 期待感が感じられる、くずしろさんらしいお話で、どこに向かっていくのかが楽しみです。
絶対可憐チルドレン(57)(58) 椎名高志
健全明朗マンガです。椎名高志さんは本当によい人です。
いろいろはっちゃけようとしますが、 とてもノーブルな健全さに支配されていて、とても安心して読めるマンガです。
「やさしさで人を殺して見せて~」という感じです。
好きな子がめがねを忘れた(4)(5) 藤近小梅
ほんわかマンガです。
このままふわふわしていてほしい!
癒されます。
古見さんは、コミュ症です。(17) オダトモヒト
このマンガが出た時は「出落ちかよ!」と思いました。
出落ちが延々と続いて、はや17巻です。主人公の古見さんも含め、登場人物が皆、ちゃんと成長しているのがうれしいです。
この巻では、お話が大きく動きます。何となく終わってしまうのがみえてくるようで、ちょっと寂しいです。
異世界おじさん(4) 殆ど死んでいる
これは何というか、誰得というお話です。
空気の読めないゲームオタクがいろいろとかましてくれるのが異常に楽しく、なぜか何度も読んでしまいます。
なにはともあれ、ツンデレエルフさんに栄光あれ!
あと、うちにもセガサターン、まだあります。
通りがかりにワンポイントアドバイスしていくタイプのヤンキー(1)~(3) おつじ
これも出オチだと思ったら、 ちゃんとした恋愛マンガになってきて、当惑しつつもこれはこれでうれしいと混乱しております。
とりあえず、梅ちゃん先生はかわいい!
映像研には手を出すな!(5) 大童澄瞳
つい先ごろ、NHKでアニメ化もされた作品です。アニメもとても面白かったです。
モノつくりする人間ならだれでもわかるエピソードに満ち満ちており、相変わらず金森さんは頼りになります。
幼女戦記(17)(18) 東條チカ
このタイトルでなければ、もっとメジャーヒットした気もします。
私もこのタイトルで手を出す気になれなかったのですが、読んでみたら見事にはまりました。
原作小説のボリュームをわかりやすくコンパクトにまとめており、とてもとっつきがよくなっています。
おもしろいんだけど、このタイトルだといろいろと厳しいだろうな…
スペシャル(3) 平方イコルスン
とてもシュールなお話です。
とても普通な部分と、とても普通でない部分が同時に存在しています。
これも先行きが読めず、楽しみな作品です。
花よりも花の如く(19) 成田美名子
19年に渡って描かれているこの作品は、いろいろなことを教えてくれます。
成田さんはいつもさまざまな問題に正面から向き合って、成田さんなりの回答を提示してくれます。
つらいこともあるけれど、私は元気です、という感じですね。
事情を知らない転校生がグイグイくる。(5)(6) 川村拓
これも出オチ系マンガですね。主人公の❝死神❞西村さんが、天然全開の転校生、高田くんと出会って成長していきます。
いじめていた子の一人の笠原さんがとてもいい子で、うれしくなってしまいます。
子どもが幸せでいられる世の中でありますようにと祈らずにはいられません。
これ以外にもお勧めのマンガは山ほどあります。また、ここに載せたのは新しく買ったものばかりですが、以前に買ったマンガや本も読んでいるので、私の頭の中では時代は混沌として、今もどの時代に生きているのかあやふやになっている今日この頃です。
人生は本当に楽しいです。