きょうは午前中にかなり激しい雨が降ったので涼しくなるかと思ったのですが、午後になると陽が照ってきて、夜の10時を過ぎてもまだ33℃くらいの気温です。うまくいかないものです。
ソーラーシステムは時々120Wくらいの発電をしてくれているのですが、雲が流れていて安定しません。
きょう御紹介するのは、トマトスープさんの「ダンピアのおいしい冒険」です。
ダンピアというのはイギリス人の航海者で、3度に渡る世界周回の記録は、ヨーロッパで大きな反響を呼びました。
ダーウィンさんの「ビーグル号航海記」や北杜夫さんの「どくとるマンボウ航海記」、はては「オデュッセイア」までつながる航海記は、どれも読むと意外なほどに楽しいものです。
航海記のおもしろさを、この作品はマンガでとてもわかりやすく伝えてくれます。
そう言っておいてなんですが、この作品でいちばん心を奪われるのは、登場人物たちです。
主人公のダンピアも、お話を回すためだけでなく、感情のある生きた人間として描かれています。
ダンピアの乗り込んでいる私掠船の船長のジョン・クックは、海賊でありながら本当に魅力的な人物です。
そのジョン・クックの片腕の操舵士のエドワード・デーヴィス、ジョン・クックの私掠船の船長としての資格を疑って潜入している一等航海士のウィリアム・カウリー。
登場人物が皆それぞれの思惑と感情を持って船に乗って、海図も定まっていない海を進んでいきます。
12月ごろ出るという2巻が楽しみですが、個人的にはこの巻ですでに大きなロスを感じてしまいました。
進化論と対で語られることが多い本書ですが、冒険物語としてもそうとうおもしろいお話です。
巨大マグロ漁船に船医として乗り込んだ著者が、その航海の様子を綴る作品です。このころ、まだ多くの日本人に知られていなかった世界の本当の姿を伝えてくれる、わくわくする本でした。
この本で初めてアオタコロイノナの存在を知りました。
叙事詩の形式なので、入り込めるまでに少し時間はかかるかもしれませんが、読み進めていくほどに引き込まれていきます。いろいろな映画やお話の元ネタになっているほど豊かなエピソードを抱えているので、読んでおくと人生が楽しくなる本の一つです。