きょうは里山奇談のシリーズ2冊目の、「里山奇談 めぐりゆく物語」をご紹介します。
書いている方は前作と同じく、cocoさん、日高トモキチさんと玉川数さんです。
里山奇談 めぐりゆく物語
前回同様、特に気に入ったお話を紹介しましょう。
紅い花
間違いなくあったはずの場所に二度とたどりつけないのは、山の中だけでなく東京でも何度か経験しました。
目印の建物も曲がり角も合っているのに、なぜかそのお店があるはずのところは、両側の店がくっついてしまってるんですよね。
夏野辺の送りと泣き女
みんなと見たはずのものを話題にして、そんなことあったっけ? と言われることのやるせなさと少しの怖さ。
涸れない水
いや、怖いって、これ。
峠の小さな店
これもたどりつけないお話。でも、とても明るくてうれしくなってしまうお話。
山道沿いにある店のお汁粉はおいしい。
粉
自然界って、自然界になさそうな鮮やかな色を持っていたりするのですが、それがこんな風に出てくると怖いですね。
車窓より
電車に乗るときは、いつも窓の外を見ています。そこに見えるかもしれないものを見逃さないために。
幻の蛙
新潟の魚沼に住んでいたことがあるのですが、家の後ろから山すそまで、数十キロに渡って田んぼでした。夏の夜はカエルの声が、昼間のセミの大合唱よりも大音量で、耳の中で反響してワンワンと響きました。それでも、うるさいとは感じませんでした。
耳に残った音はずっと残っていて、ある日またそれを聞いた時に鮮やかによみがえります。
歩く人
これも怖いわ…
長い腕
何かに愛されている人っているし、その人にとっては怪異も友達なんだなあと羨ましく思ってしまいます。
ちゃぼさん
すぐ隣に、やさしいものがいてくれるというのも心が安らぎます。
不思議でありながら近しい出来事がたくさん語られています。いくつかはきっとあなたの経験と重なるものがありますので、機会があったら、ぜひ手に取ってごらんになってください。