きょうご紹介するのは、気どらないフランス料理店のビストロ・バ・マルで起こる、事件ともいえない日常の不思議なできごとを解釈して見せる近藤史恵さんの書くシリーズの第三弾「マカロンはマカロン」です。
ちょっと人間的にはダメな部分もあるけれど、料理に関しては真摯に取り組む三船シェフは、自分の料理を食べに来てくれるお客さんが抱えている悩みを解決して、おいしいフレンチを心ゆくまで食べてもらいます。
ミステリにネタバレは禁物なので、各章で感じたことを少しだけコメントします。
コウノトリが運ぶもの
大事な人と和解するのは、自分次第でいつでもできます。
青い果実のタルト
現場に足を運ばないと、思わぬ見落としがあります。
共犯のピエ・ド・コション
男の子って...
追憶のブーダン・ノワール
傷つけた側は傷つけたことを忘れるけれど、傷つけられた側は忘れられません。傷つけたことすら相手が気づいていないなら、そんな相手は切り捨てたほうがいいかも。
ムッシュ・パピヨンに伝言を
信じたくても信じられない。それでも信じたい時に人は謎を残します。
マカロンはマカロン
世界はどんどん複雑になってゆくけれど、それはとてもおもしろい。
タルタルステーキの罠
事実は単純でも、誰かを傷つけないために人は複雑な罠を作りあげます。
ヴィンテージワインと友情
しょっぱい味が真実を伝えるのはリア王のころから同じ。
すべてを否定することなく、自分の出来る範囲で最善を尽くして悩んでいる人に折り合いをつけてもらい、おいしい料理で救う三浦シェフはやはり格好いいです。