自分が大事にしている宝物ってあったかな…と考えてみたのですが、物としてはありませんでした。
では奥さんとか子どもたちとか定番の答えも考えてみたのですが、これもどうも違います。私にとって彼らは他人であり、私と全く違ったものの考え方を持っていて、私の思い通りにならないから面白いのです。私の所有物になったら、すぐに飽きて、宝物にはならないでしょう。
mmm… と考えていたら、ありました。
私にとっての宝物は、物や人ではなく、大学時代に過ごした時間でした。
私にとっての大学時代
大学時代は私にとって、ほかのどの時代とも違う時代でした。
ここで私は思考を広げるノウハウを得て、自分と同レベルの能力のある人たちと知り合い、24時間365日を自分の思うとおりに使うことの面白さと怖さを知りました。
思考力
大学に行った時、しょせんは高校の延長で、勉強をするための場所だと思っていましたが、行ってみたらぜんぜん違った場所でした。
大学は勉強をする場所ではなく、自分がわからないことを知り、それについて自分なりの考察をする場所でした。
講義ではそのための読解力や思考力、洞察力などを鍛える訓練をしてくれます。
高校のころまでは、うまく思考を広げられなくて歯がゆい思いをすることもあったのですが、ここでいろいろなノウハウを身につけて、より深く思考を広げられるようになりました。
思考のためのツールを学び、思考する対象を提示されて、思考シミュレーションをすることを覚えたことは、これ以降の人生で大きなアドバンテージになりました。
同レベルの知性
大学に入って初めて、周りの人間のほとんどに話が通じるという経験をしました。
こちらの言う事を理解されず、寂しい思いをすることが多かったのですが、大学に入ったらほとんどの人に話が通じることを知りました。
そうすると興味が湧いて、どこまで略しても通じるのかを試してみたくなります。
驚くべきことに、言葉のかけらを出すだけで、相手に話が通じてしまうのです。
この時代は、私にとって毎日が楽しくて仕方ありませんでした。
それまでは人と話をするのがあまり好きではなかったのですが、これ以降、人と話すのが好きになり、コミュニケーション能力が高いと言われるまでになってしまいました。
24時間365日をやりたいことに使えること
大学では、自分のやるべきことができていれば、24時間365日をどのように使っても文句を言われません。
ここで私は多くの経験をし、膨大なことを学びました。
大学の講義だけでなく、友人との交流や、特にサークル活動の中で、その後の人生すべてを気持ちよく過ごせるノウハウを得て、会社に入っても嫌でしょうがないということはありませんでした。
どうすれば目的を達成できるか、どうすれば楽しいか。
それらすべてを教えてくれたのが大学での時間でした。
大学時代のことを思い出すと、今でもあの街で過ごした時間がと空間が、そのままにそこに在る気がします。
私の野心と喜びと友人たちと共に。
私はいまだにその学びを活かせています。
その大学に行かせてくれた両親には、深い感謝しかありません。