今、日本の経営と雇用形態に大きな変化が起きています。
いわく終身雇用の崩壊、いわく同一賃金同一労働、いわく40代の正社員の大量リストラ。
これで無能なおじさんたちが首になって、俺たちの天下が来ると考えている若い人もいますが、彼らはえらい考え違いをしています。
企業がしようとしているリストラは、年齢の高い人たちだけでなく、若くて仕事を覚えていない若い人もターゲットにしているのです。
この場合、年齢の高い人より若い人のほうが不利です。なぜなら、その会社の仕事について、若い人の知識はそこで働いてきた人より圧倒的に少ないからです。
仕事のスキルが重視される
会社で働く場合、仕事は技術的な能力だけで評価されるわけではありません。
その会社のルールに則って結果を出していくことを求められます。
では、その会社のルールを理解している新入社員はどれくらいいるでしょうか。
これまでは先輩社員からトレーニングを受けて理解できていたことを、教えてもらうとしたら、その間は新入社員は単なるお荷物です。
中途で似たような企業に勤めていた人の方が優先され、仕事のできない若手が冷遇されるのは目に見えています。
同一賃金同一労働の落とし穴
経験者と初心者では同一労働ににならないので、同一賃金にはなりません。
教えなければ仕事がわからない若い人と、すでにやり方をわかっているおじさんを比べると、同じ仕事をするにしてもかかる時間が違います。
「これがわが社で使っているエクセルシートだから、これを分析してくれ」と言われても、何を分析すればいいのか、どのようにまとめれば使いやすいのかは指導されない限りわからないでしょう。
指導は通常の仕事とは違うので、指導する人間は追加の賃金をもらうことになり、経験者と新人の間にどんどん格差が開いていくことになります。
同一労働でない場合は同一賃金にはならないのです。
おじさんをリストラして若い人を入れる理由
そもそも、おじさま方はそれほど無能なわけではありません。
会社が年齢の高い社員をリストラするのは、彼らの給与が高いからで、若い人を入れるのは安く済むからです。
つまり、あなたが苦労して仕事を覚えて、できる仕事の範囲が広がって給与が高くなってくると、今度はあなたがリストラの対象となります。
本当に能力の高い人間は、仕事を覚えながらより高いスキルを得て、もっと条件の良い会社に移っていきます。
その会社にあっているレベルの人間は、給与が上がってきたタイミングでリストラにあうのです。
日本的経営のアドバンテージ
30年前は日本は世界トップでした。その時の経営はすべて日本型経営だったわけです。
なぜかわからない流行りに踊らされて、欧米型の功利的経営を推進した結果、日本企業はその力を失い、現在の衰退具合になっているように思えます。
企業の時価総額ランキングを見ると、1989年には日本企業がトップ10に7社入っていたのに、2020年2月では日本企業はトップ10には一つも入っておらず、ようやく36位にトヨタが入っているくらいです。
これは終身雇用、家族経営を核とした日本的経営の方が優れている証拠ではないでしょうか。
どうすれば生き抜けるか
大量リストラをする企業は、リストラされる社員に新しい価値のある仕事を割り当てることができず、縮小再生産に入っている企業です。
そのような会社を選ぶべきではありません。
終身雇用をうたい、社員の教育訓練に力を入れている企業を選ぶか、日本以外の企業でスキルを評価してもらう方がこれからの時代を生き抜く力を付けることができます。
もう一つ、収入を会社からの給与だけに頼っていると、自分の進退の自由度が減ります。
副業を持って、数万でも会社以外からの収入を持っていれば、会社から理不尽な要求があった時に自分の行きたい道を選ぶことができます。
いざという時のために、高いスキルも含めて自分の価値を上げ、複数の収入を確保していきましょう。
そうすればあなたはこれからの時代につぶされてしまうことがなくなります。