JP Road mirage - Sumomo Toxin / すもも毒素 ネタバレ要素多数につき、お気をつけください

食費より書籍代の高い、重度の活字中毒者です。本やマンガを読んで感じたことをネタバレありで綴っていきます。誰かが本を手に取るきっかけになればうれしいです。

コレクションは苦手なのに、捨てられない宝物たち

今週のお題「わたしのコレクション」

私はコレクションが苦手な人間のようです。

 

ものを集めるのが嫌いなわけではありません。

子どものころから切手や怪獣カード、仮面ライダーカードは集めていて楽しかったのですが、高価なものやレア品など、普通に集めていては手に入らないものがあると、いつの間にか集めたいという気持ちが薄れていってしまうのです。

完璧主義なので、瑕疵が埋められないと悟ると冷めてしまうのかもかもしれませんが、私が置いてきたものを集め続けている人を見ると眩しくなってしまいます。

 

集めることを止めることができるということは、そのもの自体への執着がそれほど強くないのでしょう。

もう一つ、もの自体に惹かれることと、ものすべてを集めることに関連がないことに気づいてしまったからということもあります。

 

綺麗でまとまったデザインの切手を一枚好きになって、切手収集を始めます。

美しいデザインの切手を集めているうちに、シリーズで発行されている場合に、それほど好きでないデザインのものも手に入れたくなってきます。

それはどんどん広がっていき、気がつくと自分がどの切手が好きで集め始めたのかわからなくなってしまっていたりします。

これは私が求めていた喜び、快楽ではありません。

それに気づいて、自分が本当に好きだったものを選び出せたとしても、コレクションを集め始めた時のワクワクするような気持ちは、もう戻ってこないのです。

いつしか私はものを集めることを怖れるようになってしまいました。

 

それでも、すでに集めたものを捨てるほどには冷めることができません。

それらのコレクションの中には、かつて自分の気持ちを湧き立たせたものも入っているし、手に入れた時の喜びも思い出せるからです。

ミニマリズムの考え方の中で、もっとも克服しにくい部分がこの部分の喜びの残滓に隠されています。

家の中にかなりの物量を持って跋扈しているコレクションたちをどう処分していこうか、今の私は途方に暮れています。