はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由」
親に与えられた本読みにハマり、子どもの時から得ばかりしている。
小学校に居る時分学校の図書館に入り浸って、小学校にいる間に図書館の本をすべて読んでしまおうと考えていた。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。本を読んでいると親に褒められたからである。
小学校1年生の夏に転校することとなり、大いに落胆した。小学校の司書の先生がそれを知り、個人的に本を一冊プレゼントしてくれた。その本を家に持って帰って来た時、親が大きな眼をしてよかったねえというので気をよくして、ますます本を読むのが好きになった。
けっこう有名な小説の冒頭をなぞってみました。名前は知られているけど、通しで読んでいる人があまりいないお話の一つですね。
私がはまっているのは読書です。
今回はその楽しさをご紹介してみましょう。
10.無為な時間を有為に過ごせる
本が一冊あるだけで、無為な時間がなくなります。
無為な時間ができたら本を手に取れば、それだけでいろいろな世界を疑似体験できます。
あくまで疑似体験ですが、得られた経験値は現実世界に対しても有効です。
生活の中に空いた無為な時間は、一冊の本で豊かな知識と経験を得られる沃野に変わります。
9.ポケットに入れておくだけで豊かな気持ちになる
出かけるときには、時間が余る予定がない時でも、私は必ず一冊以上の文庫本を持っていきます。
何か問題が起きて、そこそこ待たされることになっても、本が一冊あれば、怒りを抑えることができます。
イライラしながら過ごすはずだった時間を、浮世と離れた世界に遊んで、ようやくトラブルが解決する頃には、「もうちょっと時間があれば最後まで行けたのに」と思うほどには不愉快なトラブルを受け入れられる精神状態になっています。
文庫本一冊を持ち歩くことは、それだけで不要なストレスを減らして、新たな知見を得ることもできるという、とてもお得な楽しみです。
8.イラストが楽しい
挿絵のない本もありますが、本の中に挟まれているイラストは、時にこちらの想像力や妄想力を超えて、新たな世界を開いてくれます。
暗い版画や神経質なエッチングの線、淡い水彩のぼかしなどが想像の世界を押し広げてくれる時、これまでの経験になかった世界の扉を開くことができるのです。
ラノベのようなわかりやすいイラストもいいのですが、解釈の幅が大きいイメージ画のほうが妄想が広がります。
大昔の木版本の挿絵などを見ると、それだけでワクワクしてしまいます。
7.感性の近い人と知り合える
いろいろな本の感想を話したり、SNSなどで上げていると、「そうなんです、あそこ! あれはそういう意味ですよね」とか、「いや、あそこはこう解釈した方が面白くなるんじゃ」などという感想をもらうことがあります。
感想を言いあっていると、お話に対する感性の幅や深さなどが見えてきて、自分にとても近い感受性の人と知り合うことができます。
普通に生きていたら、まず知り合うことのできない人と知り合えるのは、自分が本を読んで発信するからです。
78億人いる中で、自分の感性と近い人と出会うのは至難の技ですが、それでも本の海を泳ぎながら発信することで、本当に稀な出会いを得ることができるのです。
6.ありえない経験を得ることができる
本の中には、普通の生活の中では経験することのできない世界が開かれています。
主人公が中世の貴族であったり、戦国時代の英雄であったり、古代の哲学者であったり、現代の女子学生だったり、探偵だったり宇宙飛行士だったり、科学者だったりロボットだったりするので、没入すると時間的にも空間的にも得られることのない経験を得ることができます。
立場も性も時代も空間も超えた経験は、私自身の中に不思議な経験空間を作り出してくれます。
世界がどんなに変容しても、私は何らかの行動の指針を見出すことができるでしょう。
5.膨大な知識が手に入る
本の中には、無尽蔵と言っていい知識が含まれています。
ここで注意しなければならないのは、知識は、知識そのものを描いている実用書や参考書で得られるものよりも、物語の中で描かれている知識の方から、より深く正確な知識を得ることができるという点です。
ストーリの中で使われる知識は、単体の知識ではなく、背景や起動条件、適合条件などとつながって、実際に起こる結果につながるものとして得ることができます。
そのように理解した知識は、受験勉強のように過ぎてしまうと消え去ってしまうものではなく、必要な時に簡単にアクセスできる生きた知識として自分の中に蓄積されます。
4.いくつもの人生を経験できる
本を読むことで、本来は一つしかない人生をいくつも体験し、自分のもののように受肉させることができます。
よくできた物語では、喜びも痛みも自分のものとして経験することができ、自分が「やり直すことができるなら」というシチュエーションに陥った時に、正しい道を選び直すことすらできます。
実際に、「狭き門」を読んで、本当のことを伝えないことで起きる悲劇をきつく胸の中に刻み付けていたために、奥さんと出会ったときにそのようなことの起きないように行動することができました。
すべてが思い通りにいったわけではないですが、お互いの理解はその時の私の努力に見合って、深く通じ合っています。たぶん。
3.紀元前の人とも地球の裏側の人とも、何なら存在しない人とも理解を共有できる
お話というのは、そもそも伝えるために書かれるものなので、理解力を高めていけば紀元前の賢者だろうが、他の国の人だろうが、異性だろうが理解することができます。
特に感性の近い人間の書いたものは、こちらの内臓までも揺さぶるほど響いてきます。
中原中也や宮沢賢治、トーマス・マンやアンドレ・ジイド、世阿弥や三国志、司馬遼太郎さんや宮城谷昌光さん、浅田次郎さんや酒見賢一さん、いや、これを挙げていると一晩や二晩では済まなくなってしまいます。
ホメロスやシェイクスピアにも深い共感を持つことができる読書は、けっこうにチートな武器になります。
2.大好きな人が何人もできる
主人公に限らず、生き方に共感できる人物が物語の中にはたくさんいます。
青鬼でもいいし、ゴンでもいい。
アーチー・グッドウィンは自分がそのようになりたいと思った人物の一人です。
自分が何者であるかもわからない少年期から、さまざまな人物像を眺め続けることで、少しでもなりたい自分を形造れるように生きてきました。
すべてがうまくいくわけでもありませんが、好きな人間は多ければ多いほど、目指すところが見えてきます。
人生の後半期に入ってからも、よりよくなりたいという思いは変わりません。
少しでも理想に近づけるよう、今もあがいています。
1.おもしろい
本を読むことに関して、いろいろなメリットを挙げてきましたが、何といってもいちばんなのは、その物語がおもしろいということです。
おもしろいと感じられない物語には感情移入もできないし、登場人物に共感することもできません。
おもしろくなければ本を読んでも得られるものは少ないし、いつの間にか読むことが義務のようになってしまい、苦痛になってしまうでしょう。
まずはおもしろいと思った本を読みましょう。
人に笑われても、バカにされてもかまいません。
自分にとっておもしろい本を少しずつ集めていくことで、世界は広がり、深さと高さをどんどん増していきます。
おもしろい読書体験を積んでいるうちに、いつしか自分がとても望ましい世界に住んでいることに気づくことができるでしょう。
無理せず、背伸びせず、自分のペースで、物語を摂取していくことをおすすめします。