JP Road mirage - Sumomo Toxin / すもも毒素

現在波乱の真っ只中です。そんな中で実際にしたこと、感じたことを書いていきます。これが誰かの助けになればうれしいです。

好きな映画10選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

小学校の時に、年に2回くらい講堂に大きな白い布を張って、映画を鑑賞する時間がありました。

フィルムがセットされる16ミリの映写機のメカメカしさにも惹かれましたが、暗幕を巡らした会場が暗くなって、白い布に映像が映し出されると、そちらに引き込まれていきました。

まわりの騒がしさが遠く退いていき、視界いっぱいに広がる映像の中で、まったく知らないヨーロッパの暮らしを体感し、ドラマに巻き込まれていきます。

小学生のキャパシティに入りきらない情報の中から、一生残るメッセージを汲み出して、私は映画が好きになりました。

好きな映画を10作だけ選ぶのは、とても難しいのですが、今現在、私にとって大事な作品を選びだすのもおもしろい定点観測になりそうです。

今回選んだのは、以下の10作品です。

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これが小学校の上映会で見た映画の一つで、ラストの切なさがかなり強烈に残りました。

ジェルソミーナはどこか薄気味悪くて、ザンパノは乱暴で怖ろしく、殺されてしまうイルはかわいそうで、見ているのがとてもつらいのに、どうしようもなく引き込まれてしまい、映画を見ている間中、わたしの目はわたしの身体を離れ、この不思議な時間の中に入り込んでいました。

ラスト近く、ジェルソミーナがよく奏でていた曲が聞こえてきた時、ザンパノと同じく胸を突かれてしまい、失ったものの大きさに心がふさがる経験をしてしまい、失って初めて気づくなんてことを、小学生の私は絶対にするまいと決心したのです。

精神がかき乱されるので、そんなにしばしばは見られないのですが、今も大好きな映画です。

禁じられた遊び

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これも小学校の上映会で見た映画で、全編に流れるギターの「愛のロマンス」が家にあった音楽百科事典付属のレコードにも入っていて、何度も聴いたことを覚えています。

反戦映画として取り上げられることが多いこの映画ですが、好きになってしまったために、その人を喜ばせるためにしてはいけないことまでしてしまい、その結果好きな人を失う結果になるという、厳しさのある恋愛映画だと感じます。

自分よりも長く生きるといわれているフクロウに、思い出の品を託す少年がとても美しく感じました。

世にも怪奇な物語

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3話からなるオムニバス形式のこの映画は、それぞれがとても完成度の高い短編映画になっており、怖さとエロティックさがにじみ出てきます。

ジェーン・フォンダの「黒馬の哭く館」、アラン・ドロンの「影を殺した男」もおもしろいのですが、いちばんおもしろかったのはテレンス・スタンプの「悪魔の首飾り」です。

始まってすぐにエスカレーターで弾む白い毬でゾクッとさせられます。

舞台になっている映画祭自体が現実とは思えない退廃した世界観で染め上げられており、異界感に満ちています。

その後、フェラーリで真夜中のローマの街を走り回るのですが、ここでも人か人形だかわからないものに遭遇したり、真夜中なのに工事をしていたり、こちらの見当識も失われていきます。

冒頭に出てきた白い服を着た少女が、白い毬を持ってたびたび現れるのが不思議な怖さを感じさせます。

露骨なおどかしがないのにとても怖くて、それなのに惹かれてしまう映画です。

ゴジラ

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ゴジラの一作目は、怪獣映画というより土俗的な精霊映画でした。

穢された地球が産み出した、人類を罰するために遣わされた精霊がゴジラです。

夜、山の頂から顔を出すゴジラは恐怖そのものでした。

燃えさかる東京の街を、遮るものもなく歩みを進めるゴジラは大勢の子どもたちの夢の中に現れ、荒ぶる神の恐ろしさを正しく伝えました。

そのゴジラを封じるために、一人の科学者が人柱となります。

後世に伝えてはならない殺りく兵器とともに海に沈んで、ようやく神は鎮まりました。

初代ゴジラは、それ以降のゴジラとは全く別物でした。

唯一、ゴジラ対ヘドラではその風情を感じさせられましたが、それまでのゴジラ路線と大きく異なっていたため、その後監督は干されてしまったという哀しい経緯があります。

ゴジラ対ヘドラを映画館で見たときは衝撃で、大好きな映画の一つになりました。

もちろん、正義の味方のゴジラも大好きで、飛ぶだけで大災害のラドンや、狂ったように頭をくねらせるキングギドラや、人に寄り添う精霊のモスラなどが活躍する映画も大好きです。

それでも、初代ゴジラはそれらを超えて、私にとってベスト映画の一つとなっています。

燃えよドラゴン

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感想(13件)

男の子として、いちばん多感な中学生の時に出会ったこの映画は、オープニングの試合シーンで格好良さに引き込まれました。

オリエンタリズムにあふれた音楽と、香港のゴミゴミした中から垣間見える人々のパワーで盛り上がり、妹の回し蹴りのすごさに驚き、アクションが始まってからは息つく暇もなく画面を凝視していました。

地下道で次から次へと武器を持ち換えて戦うところは、それまで見たどんなアクション映画でも見たことのない完璧な美しさでした。

当時は何度も映画館に行ってすべてのブルース・リーの映画を繰り返し見て、今はすべての映画をLD→DVD→ブルーレイで持っています。

それにつけても、死亡遊戯を最後まで作ってくれていたら、とんでもなくすごい作品になっただろうにという残念な思いは今も残っています。

ブルース・リーを好きになったことで、中学生の時に、そのころあまり一般的でなかった海外輸入を行い、香港からウェアやカンフーシューズ、雑誌などを手に入れたりしました。

好きになるということのパワーはすごいです。おかげで英文メールも抵抗なく書けます。外資系企業に勤めているときに、非常に役に立ちました。

ブルース・リーの映画のセリフはほとんどすべて空で言えるほど覚えていますが、これがのちの英会話の際に非常に役に立ち、ネイティブな人に発音がいいと褒められるまでになりました。

「好き」は人を助けます。

酔拳

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感想(7件)

ブルース・リー映画を見ながら、ほかの香港カンフーアクション映画は見られる限り見てきましたが、どれもこれもおもしろくて、ハードなものもハチャメチャなものも全部好きでした。

ジャッキーチェンの映画はたくさんありますが、私にとっていちばんおもしろいのは、やはりこの酔拳です。

師匠のおじいさんがとにかく最高で、レストランで椅子に座ったまま、襲い掛かってくる相手をちょいちょいといなしてしまうところや、ジャッキーと酒盛りをするところ、ジャッキーの修行シーンなど、楽しい場面が目白押しです。

チャウ・シンチー監督の少林サッカーカンフーハッスルもぜひ見てほしい映画です。

そして、昔カンフー映画を見た方々におすすめなのが、「燃えよ! じじぃドラゴン 龍虎激闘」です。ブルース・リャンにチェン・カンタイという、名前を見ただけで涙が出てくるような人が出演しており、歳をとっても故障しても、魂はずっと変わらないというメッセージが伝わってきます。

ラストの戦いを見て、私は笑いながら涙を流していました。

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夕陽のガンマン

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格好いいとはこういうことさ、と感じさせてくれた映画です。

惜しくも昨年亡くなられたエンニオ・モリコーネさんの音楽も、映画の面白さを倍加してくれます。

残酷なシーンも多いマカロニ・ウェスタンですが、この映画では、クリント・イーストウッドが戦争で死にかけている兵士にたばこを吸わせてあげるシーンなど、やさしさを感じさせるシーンがいくつもあり、かつてあった時代を感じさせてくれます。

汚ねえ奴のイーライ・ウォラック、悪い奴のリー・ヴァン・クリーフ、いい人のクリント・イーストウッドがそれぞれの個性全開で争うさまはクールです。

好きなシーンはイーライ・ウォラックが銃砲店に行って、いくつも銃を出してもらって、出された銃をばらしながら、いいパーツを集めて一つの銃に組み立てるシーンです。

長い映画ですが、自分が南北戦争の時代に実際にいて、時代が変わろうとしている切ない空気を感じられて、心地よい時間を過ごすことができました。

大脱走

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第二次大戦時のドイツの捕虜収容所で、捕虜全員が力を合わせて脱走を図る物語です。

情報屋、トンネル王、偽造屋、測量屋、仕立て屋、製造屋、調達屋など、それぞれの得意な技術を駆使して、すべてを統括するビッグXの元で、全員脱走を目標とする脱走計画を進めます。

脱走を防ぐドイツ側の警備体制も万全で、それをいかに出し抜くかがスリル満点に描かれます。その敵国側のドイツ人が、人間味を持って描かれているところも気持ちよいです。

前半の脱走計画を立てるところから、トンネルを掘り進めるところは一つ一つのタスクを積み上げてゆく気持ちよさを味わい、脱走実行時にはそれぞれの逃亡がスリルとスピード感たっぷりに描かれ、特にスティーブ・マックイーンのオートバイによる逃走シーンは恰好よさ満点です。

しかし、ドイツ軍の追及も確実に脱走者を追い詰めてゆき、多くのものが捕まっていきます。後半は暗くつらいトーンが強くなりますが、ラストの「独房王」の不屈の明るさが救いになっています。

この映画の音楽がお店などでかかると、思わず背筋を伸ばしてしまうほどに大好きです。

荒野の七人

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黒澤明の「七人の侍」のリメイク版で、メキシコの寒村を襲う盗賊団を、雇われた七人のガンマンが迎えうちます。

数十人の盗賊を七人で迎え撃つために村の防備を固めるところから、西部劇らしい銃撃戦、一度追い払われてから再度決戦に挑むまで、息をつかせない進み方で、その中でそれぞれのガンマンの抱える過去や闇が浮かび出てきます。

まじめなリーダーのクリスと副長格のヴィンを中心として、素朴で温かいオライリー、ナイフ投げの達人で求道者のようなブリット、山師で儲け話に目のないハリー、誰よりも早い抜き撃ちの名手でありながら、銃の腕の衰えを感じて怯えて暮らしているリー、農民の出身でガンマンに憧れて参加したチコ。

それぞれのドラマが大きな流れの中で露わになっていき、どんどん感情移入していってしまいます。

金儲けしか頭になく、村を追われたあと抜けていったハリーが、追い詰められたクリスたちを救いに駆け込んでくるシーンでは思わず声が出てしまいました。

子どもたちになつかれたオライリーが、助けるつもりで来た子どもたちをかばって撃たれてしまうところでは声も出ませんでした。

七人の侍もとても面白いのですが、全編雨や夜のシーンが多く、エピソードも暗いものが多い印象です。

荒野の七人は青空のイメージが強く、エピソードもからっとした明るさを感じさせるものが多く、観たあとに爽快感が広がります。

テーマ曲も軽快で、いろいろな西部劇で使われており、別の映画を見ているときにこの曲が流れるとニヤッとしてしまいます。

この曲を聴くと、ついつい外に出てどこかに出かけたくなってしまいます。

ラ・マンチャの男

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ミュージカル映画も好きですが、一本選ぶとしたらこれです。

マイ・フェア・レディ雨に唄えば屋根の上のヴァイオリン弾きメリー・ポピンズ、天使にラブ・ソングを…、ブルース・ブラザースロッキー・ホラー・ショーファントム・オブ・パラダイスなども大好きですが、ラ・マンチャの男は生き方を再確認させてくれたので別格です。

宗教犯罪者として捕らえられたセルバンテスが、牢獄の中で大事なシナリオを牢名主に取り上げられ、それを返してもらうために、ドン・キホーテのお話を牢の中で犯罪者たちに演じてもらう構成で話が進みます。

理想を追い求めていくうちに、現実に圧し拉がれて挫折してしまうドン・キホーテと、自分自身を見てもらいたいのに、架空の女ダルシネアとしてしか見てもらえないアルドンサ。主人であるドン・キホーテに従うサンチョは、すべてを理解した上で受け入れています。

ドン・キホーテに見果てぬ夢を説かれ、一人で立てるようになりたくなった宿の下働きのアルドンサは、シナモンの木の下で男の力に打ちひしがれてしまいます。

助けようとするドン・キホーテに、本当の自分を見てと叫んでも、ダルシネアとしてしか見てもらえず、ノォー!と叫ぶアルドンサは、美しくも哀しい。ここのアルドンサのテーマは必聴です。

鏡の騎士に本当の自分を突き付けられ、病に倒れてしまうドン・キホーテは正常に戻ってアロンゾ・キハナとして生を全うしようとしますが、訪ねてきたアルドンサに見果てぬ夢を聴かされて、自分の理想を取り戻します。

アルドンサは理想を持って生きることの意味を知って、これからの人生に向かって歩き出します。

劇中劇を演じていた囚人たちにも、高潔な理想は誰にでも持てるし、それに向かって進むことが可能だという心を芽生えさせて物語は終わります。

絵空事でも人は変われるし、理想を届けることは無駄なことなんかじゃないというメッセージをしっかりと受け取りました。

不可能な夢を夢み、耐えきれない悲しみに耐え、届かない星に手を伸ばそうと唄う「見果てぬ夢」は、私の座右の銘として今も私の胸の中にしっかりとあります。

どうすることもできないように見えても、私はその先に見える星に手を伸ばそうと生きています。

映画って、本当にいいものです

映画は本当にいいものです。

時には、ほんの1~2時間の映画で人生観が変わってしまうこともあります。

そこで得た感動で、自分の人生をよい方向に変えてしまうこともあります。

本や映画のようなメディアは、自分に受け取るキャパシティがあればいくらでも新しい気付きをもたらしてくれます。

歳をとっても、どこに行っても、もっといろいろなことを知りたくて、私は映画を見続け、本を読み続けるでしょう。

自分が前に進めなくなる時が来るまで、ずっと。