今週のお題「わたしのプレイリスト」
プレイリストを作るのはとても難しいです。
気に入った曲があるとそれを追加して、また気になる曲があったら追加して、と繰り返して増えていきます。
増えたからといって、「この曲を消そう」というのはかなり困難です。
プレイリストに入った気に入った曲は、当然ドライブの時や作業をするときなどに何度も何度も聴くので、どんどん想い出が積み重なっていきます。
もともと気に入った曲を、繰り返して聴いて、聴いたいろいろなシチュエーションも積み重なって、曲に対する思い入れは深くなります。
こうしてプレイリストはどんどん大きくなっていきます。
プレイリストと同じように、どんどん増殖して止めることも減らすことも困難なものに、アルバムがあります。
写真や音楽は、自分の過ごしてきたときをその中に封じ込めています。
忘れ去っていたことでも、なつかしい曲のワンフレーズを聞いただけで頭の中でぱっと広がります。
写真も音楽も、同じように記憶の解放のトリガーになっています。
ミニマリズムは私も取り入れていますが、少し危惧しているのは、現在の自分がすべてという考え方です。
学生時代の思い出の品や、自分が好きだったアイドルのアイテム、友人の写真、本やCDなど、今の自分が使わないものをすべて捨ててしまう人もいるようです。
どんどん前に進んでいる時期はその考え方でもいいのかもしれませんが、転職や退職などで、前が見えにくくなくなる時には、自分の歴史がまったくない状態だと、心がくじけた時にリカバリが効きません。
とりあえず走り終えたと思った時に、人は大きな喪失感を感じます。
大きな山を越えた時、とても長い距離を走った時ほど、その喪失感は大きくなります。
その時に後ろを振り返って何もなかったら、それはぞっとするでしょう。
今となっては手に入らないような、くだらない小物であるほど、強い回帰力と魅力をその中に潜めています。
屋根裏部屋に置いてある、いつのものかわからないアイテムが山ほど入っている旅行鞄は、どこの家にも必要だと思います。
音楽に話を戻します。
個人的な感想ですが、音楽はほかのどんなアイテムよりも強い力で過去を呼び覚ましてくれます。
悪いことは薄まって、なつかしいことばかり強く蘇ります。
自分がいろいろなことをしていき、時々自分のいる場所を確認するためにも、これからもさらに私は自分のプレイリストを充実していこうと考えています。
先日、YouTubeで昭和のアニメソング集の動画を見つけたら、思った以上に興奮して、奥さんと一緒に熱唱してしまいました。
やっぱり音楽ってすごいです。