きょうは施川ユウキさんのマンガの「バーナード嬢曰く。」をご紹介します。
登場するキャラクターは4人で、毎回このうちの何人かが絡み合ってお話が進みます。
主人公は、本を読むのは面倒くさくてやりたくないけど、周りの人間から知的な読書家っぽいと思われたいという町田さわ子です。
神林さんはSF好きで、SF者らしい被害者意識と、わかってもらえそうになると暴走してしまうオタクによくある属性の持ち主です。個人的にはこの子が一番好きです。
遠藤くんは幅広く読書しているのですが、時々いい恰好をしたくてしくじったりしています。
長谷川さんは図書委員で、やはり幅広い本を読んでいます。遠藤くんにあこがれて、図書室に来るのを心待ちにしています。
古今東西のいろいろな本について語られるのですが、切り口が「え? そこ」と裏切ってくれるのが快感です。
1巻のころはギャグがほとんどで(え? 違う?)、町田さんはほとんど本を読みませんでしたが、最新刊の5巻になるとみんなの影響を受けて、いろいろな本を読んでいるようです。
学生時代の少し切ない記憶とつながるお話も多く、しんみりとできるのもうれしい。
小さいころ、私は外で遊びまわるのも好きでしたが、雨の日曜日などはしかたなく家にこもって読書三昧を楽しんでいました。母親の作った堅めのパウンドケーキを食べながら本を読むのは至上のひとときでした。
5巻で印象に残ったのは、神林さんのひとことです。
『「読まないといけない本」なんて、この世界には一冊もないよ』
まるで昔の文庫本によく入っていた「夏の百冊」のしおり広告のようですてきです。
あー、本が読みたい。