『「転職」、「退職」。サラリーマンでこれらの2文字を思ったことのないものは幸いである。彼はよい同僚に恵まれているか、野心が足りないのである。』
サラリーマンをやっていると、転職や退職が頭にちらつくことがあると思います。収入の安定を考えるとやめない方がいいのですが、無理してやめないでいて、命を絶ってしまうくらいならば、やめてしまった方がいいのはいうまでもありません。
でも、追いつめられているとやめるという選択肢が出てこなくなるケースが多いのです。
会社をやめるかやめないかの判断基準はどのあたりにあるのでしょうか。
基本的にはやめない方がよい
転職や退職をしたいと思っている人は多いと思いますが、 これは不可逆変化です。つまり、元に戻すことができないのです。こぼしてしまったミルクはマグに戻すことができません。
でも、人はミルクをこぼして空っぽになったマグにカフェオレが注いでもらえることを夢見てしまうんですね。
キャリアアップを目指しての前向きの転職ならやめることに問題はありません。
「仕事がうまく回せない」「職場に合わない人がいる」「上司が無能」などでしたら、転職先でも似たような状況になることが考えられますので、やめないほうがいいと思います。
このような場合は何らかの対応をすることで改善される場合もあるし、1~3年くらいで環境が変わる可能性も高いので、何とか我慢してみましょう。
転職をすると、勤務期間がブツ切りになるので、生涯収入に大きな影響が出ます。
「死にたい」と少しでも思ったら
「死ねば会社に行かなくてもよくなる」「死んだらあのプロジェクトの責任をとらなくてよくなる」 と考えるようになってしまった場合は要注意です。
会社よりプロジェクトより、自分の命は大切です。
会社はひとりの失敗で致命的なダメージを受けることはないので、あなたがそこまで責任を感じる必要はありません。
万が一、会社が大ダメージを受けたなら、それはあなたをアサインした上司に責任の80%がありますので、あなたが死ぬなら上司も死ぬ必要があります。
逆に考えると、会社の社運を賭けたプロジェクトにあなたはアサインされたわけですから、今回失敗しても次は成功できる可能性が高いのです。
ですから、死ぬ前にやることはたくさんあります。
それでも死にたいという気持ちが抑えられないなら、そこで初めてやめることをお勧めします。
やめる前に現状分析をしっかりと行う
やめると決めた場合は、しっかりと現状分析をしましょう。絶対にとりあえずやめれば何とかなるというようなイメージだけでやめてはいけません。
今後のキャリアプランについて、うまくいく場合と、うまくいかない場合の二通りを考えて、次の一手を考えます。
あくまで冷静に、きちんと分析して勝算を計算することが大事です。
やめることについて家族と話し合う
家族がいる場合は、やめると決める前から先に家族とこの件について話しましょう。
親がいれば親と、配偶者がいれば配偶者と、子どもがいれば子どもも含めて全員と話すのがベストです。
話すのがしんどいと思われるかもしれませんが、会社をやめるというストレスマックスにしんどいことをしようとしているのですから、何ほどのこともないでしょう。
もし話す方がしんどいと思われる方がいれば、本気で会社をやめることを考えていない証拠ですので、会社をやめることを見送るのをお勧めします。
情報共有をきちんとしないでやめると、職だけでなく家族も失う可能性が高いので、これだけはきちんと筋を通してください。
くれぐれも。
まとめ
転職・退職は、とても魅惑的な考えですが、安易に触れると大やけどをする幻影でもあります。
このまま会社に残り続けたらどうなるのか。
会社をやめてもその先の人生がある程度見えているのか。
死ぬよりはやめたほうがいいと思いますが、下手に動くと死ぬよりつらい目に合うかもしれません。
それをきちんと理解したうえで、ベストな選択をされることを願っています。