JP Road mirage - Sumomo Toxin / すもも毒素 ネタバレ要素多数につき、お気をつけください

食費より書籍代の高い、重度の活字中毒者です。本やマンガを読んで感じたことをネタバレありで綴っていきます。誰かが本を手に取るきっかけになればうれしいです。

伝染性のある強烈な毒を含む本 「自作の小屋で暮らそう」高村友也

お題「我が家の本棚」

きょうは極限人間で、普通の人が接触するととても危険な高村友也さんの「自作の小屋で暮らそう」をご紹介します。

 

この世の中に変わり者と言われる人はたくさんいますが、この本の著者の高村友也さんは間違いなくトップクラスの変わり者でしょう。

東大の哲学科を卒業し、その後慶応大学の大学院まで行って、就職することなく、山梨の林の中で自分で家を建てて暮らし始めてしまいます。

70万弱で買った土地に10万円ほどで家を建て、月に2万円の生活費で暮らす彼は、深い満足を得ています。

トイレは自製コンポスト、水も電気もガス管もつながっていない完全にオフグリッドの家で、人間として充実した暮らしを送っている彼は、はた目にはとても普通の人間とは見えないでしょう。

彼は人間が人間らしく生きていくために必要な最低限を自分で実践し、可能性を追求する狂信者なのです。

 

読んでいるうちに、「ここまでできるのか」という思いと同時に、「やってみたい」という気持ちが沸き上がってきてしまいます。

しばらくはこの本を何度も読み返し、ネットで格安の田舎物件を探し続ける自分が私を支配していました。未だにその狂信者は、私の中に住んでいるのです。

ミニマリズムを目指す人、自分をシンプリストと考えている人は、ぜひ一度読んでみてください。

新しい世界があることに気づくかもしれません。