今回は杉谷庄吾(人間プラモ)さんの「映画大好きポンポさん」をご紹介します。
「ポンポさんが来ったぞーっ!」のセリフで、ああダメかと思ったのですが、読み進むにつれてどんどん引き込まれていきました。
天才プロデューサーのポンポさんと、映画大好き根暗少年だった助手のジーンくんと、女優を夢見て田舎から出てきたナタリーさんが、一本の映画を作るお話です。
それだけ? と思われるかもしれませんが、登場するキャラクターたちの異常な信念とこだわりがおいしく醸成されて、極上のお話に仕上がっています。
個人的に一番好きなのが、ジーンくんが初めて映画の15秒の予告編の作成を任されたところで、いちばん映画を見たくなるような予告編を作ろうと頑張るうちにのめり込んでいくところです。
私も学生時代に映画をつくっていたので、いちばん見せたいシーンを選び出してコマを絞り込んでいき、自分の思うとおりの映像を造る喜びがどれほど楽しくて怖ろしいかを心の底まで知っているからです。
もう一つ、映画の撮影が終わって、ジーンくんがいよいよ編集にはいるところ。
「さあ…… 楽しい楽しい」
「編集の時間だ!」
「今…... 僕が地球上で一番幸せなのは間違いないな」
これは映画を作った人間にしか味わえない、人生の中で至高の時のひとつであることはまちがいありません。
狭いアパートの部屋の中で、編集機に向かってコマ一つ一つを吟味しながら編集していたあの時間は、今も私の中でいろいろなことをやるための原動力になっています。
このマンガはpixivで無料で読めますので、読んでみてください。
私は紙の本が欲しいたちなので、買ってしまいました。
2作目はジーンくんの反乱…かな?
こちらはポンポさんの中に出てきた喫茶店のウェイトレスで、やはり女優を目指しているフランちゃんのお話です。