今週のお題「オンライン」
実際に在宅勤務を何十回と行って、いくつか気づくことがありました。「ああ、やっぱり」というものと、「え、こんなことが」というようなものがありました。
中にはオンライン在宅勤務を継続していいのかどうか、判断に迷うほどの問題がありました。
在宅勤務の根幹にかかわる点
初めからわかっていることなのですが、実際に始めてから、具体的に突きつけられる問題です。これがクリアできない限り、オンライン在宅勤務の導入はストップした方がいいでしょう。
評価基準をどうするか
在宅で勤務した場合の、業務の評価です。
出社して、上司のそばで勤務している場合は、毎回実績を評価することはありません。勤務姿勢を見ていれば、取り組みが妥当かどうかは何となくつかめるからです。
しかし、在宅勤務の場合は事情が違います。うちの部署では、前もってやるべき仕事とボリュームを上司に提案して、在宅勤務の終わりにその仕事の完了状況を報告していました。
突発の問い合わせ対応などで時間が取れず、完了できなかった場合は、その旨報告して了承してもらいます。ここまでして、ようやく評価が完了します。
このように毎日詳細なタスクとその完了実績を管理するのは、私だけでなく上司にもかなりの負担になっており、週2回までの在宅勤務が限界でした。
評価基準を明確にして、日々の実績をどう管理するかは、オンライン在宅勤務の大きな課題です。
時間管理をどうするか
管理者の目が届かないところでの時間管理は、両者の信頼関係に頼るしかありません。
部下をよく理解していて、任せられる関係なら問題は少ないのでしょうが、それでも疑う気持ちはおきてきます。現在のように煙草を一服する時間まで管理したがる状況では無理のないことです。
それほど強い信頼関係を築けていないメンバーだと、どのように管理状況を確認するかが問題になります。
うちの会社では仕事開始時間と終了時間を事前に上司に申請し、それに則って作業を進めるという形でした。
在籍中、会議中、離籍中などを表示できるアプリが入っていたので、それで勤務状況を見ることはできたと思いますが、部下の勤務状況の管理は難しかったでしょう。
オフィスの環境
在宅勤務を進めていくと、オフィスの環境も見直す必要が出てきます。
通常は半分しか出社していない状況で、全員出社した時の環境を確保するのか、オフィスの面積を減らすのかなど、いずれにしても個々の席を個人用に確保するのは現実的ではありません。
週に一回は全員が出社するなら全員分の席が必要ですし、全員が集まる可能性がないのであれば、妥当な席数に絞るという選択肢もあります。
広いオフィスに一人しか出社しない場合でも、照明や空調などは使うわけですので、その点も考慮しなければなりません。
注意しなければいけない点
在宅勤務をするうえで、注意しなければならない点もいくつかありました。
緊張度が高い
私の場合、出社して作業するより、さぼっていると思われるんじゃないかと思ってしまい、緊張度が高くなりました。
会社にいるわけではないので、置いてある資料などを見ることもできないので、必要な資料はサーバーに入れたりしたのですが、準備していない資料があると、出社している人に頼んでPDFにして送ってもらったりして、あとからお礼のお菓子を持参したりと気を使う場面もありました。
機材の持ち運びがたいへん
会社で使っているパソコンやヘッドセットなどの持ち運びが大変でした。
電車通勤だったので、在宅勤務の前日に持ち帰り、在宅勤務明けに持っていくのですが、けっこう腰に来る重さだし、ヘッドセットがこわれないかなど、気を使いました。
仕事をする場所の確保
仕事をする場所は独立した場所でなければならないという会社の規定があったので、それを準備する必要がありました。私は寝室の書斎スペースで仕事をしました。
うちは幸い子どもたちが独立していたので、それを気にする必要はありませんでしたが、奥さんが家にいる時は、奥さんからの遊びたいオーラを感じて落ち着かない時もありました。
冗談はさておき、奥さんもわたしが仕事している間は別室にいても緊張していたようです。
コミュニケーションがとりにくい
会社にいれば、顔を上げて声をかければコミュニケーションできる上司や同僚に聞きたいことがあったり伝えることがあった時に、いちいち電話を掛けたり、チャットをしたりしなければなりません。
この手間はちょっとした違いなのですが、それほど重要でないと思ったことを伝えないこともでてくるので、コミュニケーションが薄くなり、同僚や上司との関係が少し変質していく感じを受けました。
ほんのちょっとした違いなんですが。
在宅勤務のメリット
在宅勤務にはメリットもたくさんあります。会社側のメリットが大きいのですが、ここでは在宅勤務をする側のメリットについて述べます。
通勤をしなくて済むのは異常に楽
電車通勤をしていたのですが、在宅勤務をする日は異常に楽でした。
服を着て荷物を揃え、靴を履いて駅まで車で行き、そこから電車で1時間くらいかけていき、駅から出て会社に向かい、途中のコンビニで飲み物を買って会社に行って受付に挨拶し、ロビーにたまっている人たちに挨拶をしながらエレベーターに乗り、職場の階で降りて、職場のドアを開けて入り、周りの人に挨拶しながら自分の席に行き、腰掛けて荷物を出し、仕事をスタートする。
この段取りがすべてなしになり、書斎に行ってパソコンを開き、仕事を始められるのです。帰りもパソコンを閉じて、伸びをしたら仕事終了です。
これは圧倒的なメリットです。
集中できる
気が散らないというのも大きなメリットです。
上司や同僚から声を掛けられることがないので、やるべき仕事に集中できます。
集中し過ぎて脳がオーバーヒートしそうになるくらい集中できる環境でした。
オンライン在宅勤務を成功させるためにするべきこと
オンライン在宅勤務には会社、従業員の双方に大きなメリットがありますが、実現するためには会社の機構から変えていく必要があります。
そばに張りついていなくても判断できる作業の評価基準や、時間管理で適切に行われているかの管理方法を確立しなければなりません。
現在行われている評価方法では、在宅勤務の評価は難しいでしょう。
そしてそれらすべてより前の段階で、経営者と管理者、従業員全員の意識改革を行う必要があります。ここでは、経営方針などの見直しも必要になるでしょう。
おまけ
現在私はフリーランスとして働いていますが、オンライン在宅勤務に慣れているため、まったく違和感なく仕事ができています。
私のいた会社はかなり進んでいたのだということをひしひしと感じます。