異色のお話と言っていいと思う鶴谷香央理さんの「メタモルフォーゼの縁側」最終巻の5巻が発売されました。
終わってほしくないという気持ちもありましたが、読んでみたら、ここで終わるのがとてもしっくりときました。
高齢の方と若い人が同じものに興味を持って、まったく同等の立場で交流して楽しむことができるということを、ごく自然に納得させてくれるお話です。
何もかもを否定してしまうのではなく、受け入れることで、人はどんな年齢でも、性別でも、国籍でも楽しむことができます。
それを大上段に構えず、おずおずと差し出してくれることで、素直に受け入れることができました。
高校生の女の子は、自分と違う価値観を持つ人と交流することで、自分の生活圏でこれまでできなかった、人と積極的にかかわれるようになります。
高齢の方は、今までの生活をやめて、新たなステップに踏み出すことができるようになります。
普段の生活圏でかかわりあうはずのなかった二人は、知り合うことでそれぞれの世界を大きく広げることができました。
遠く離れることになっても、つながった絆は切れることはありません。
またいつか、それぞれの見つけた素敵なものについて、目をキラキラさせて話すことができるのは間違いありません。
そんな出会いを持つことができれば、人生はずいぶんと素敵なものになるのです。
|
|