今回は眉月じゅんさんの「九龍ジェネリックロマンス」をご紹介します。
眉月じゅんさんは前作の「恋は雨上がりのように」も読んでいて、生々しいリアリティを持ちながら、雨上がりのように爽やかな読後感を感じさせてくれました。
けっこう気に入っていたのに新刊チェックから外れていて、今回2冊まとめての購入になりました。
「九龍ジェネリックロマンス」の舞台は、今はもう無き九龍城塞です。
私はこの生きている廃墟にとても行ってみたかったのですが、21世紀になる前に取り壊されてしまいました。返すがえすも残念です。
お話では、この九龍城塞が今もまだ生きています。近未来の香港のイメージです。
ふんふん、今度はアラサーの男女のラブロマンスね、というノリで読み進めていくと、1巻のラストで総毛立ちました。
作者は、今度は私たちをどこに連れていこうとしているのでしょう。
2巻の最初で裏返って、現実との接点になるキャラが現れ、非現実の接点となるキャラが現れ、ほんとうにどこに連れていかれるのかわかりません。
この非現実を主に担うキャラがとても気持ち悪くて、私の中で折り合いが付けられないでいます。
いったいどこの次元に放り込まれることになるんだろうということが楽しみでなりません。
続きが楽しみです。
こちらは女子高生と中年男性のロマンスですが、生臭くならず、きれいに終わったのでうれしかったです。