お題「#おうち時間」
おうちにこもらなければいけないゴールデンウェークというのは初めてです。
外に出られないということは、逆に言えばとてもリッチな時間を使えるということです。
いつもは出来ない細かいところのこだわりぬいた掃除や、溜まったわけのわからない書類の整理、同居人たちとのちょっと深めの交流などに、豊富な時間を費やせるということです。
ここで一つ、家族関係をかき回して、とんでもない世界を作ってしまうかもしれない家族との時間の使いかたをご提案しましょう。
『ふだん本を読まない家族に本を読み聞かせる時間をとってみる』ということです。
本好きの奥さんから、本を読まない御主人へ
読み聞かせですから、あまり長いものを選ぶと、聞く方も読むほうも早々に眠くなってしまいます。ここは短編で、川端康成さんの「夢十夜」はいかがでしょう。
エア草子で無料で読むことができます。
一夜ごとになった短編集ですので、一編が3~4ページくらいで、眠り込む前に読み終えられると思います。
ご夫婦なら、第一夜から始めるのをお勧めします。途中で突っ込みを入れられると、ストーリーが追えなくなってしまいますので、質問はとりあえず最後まで読んでからにしてください。
「また逢いに来ると言って、結局女は来なかったのか」
「え、来てるでしょ?」
「来てないじゃん。男は独りのまんまじゃん」
「だから、百合が出たでしょ」
「うん。百合は出た」
「それが彼女でしょ」
「え、百合だよね」
「接吻したでしょ」
「浮気?」
「違うわい。それが彼女なの」
「百合なのに?」
「百合なのに」
「あ、だから100年目だったのか」
「そうそう。よくわかってるねえ」
「うぉー、面倒くさい」
楽しい夫婦の会話ができると思います。
いつもと違う役割分担で
いつもと違う役割を分担して、読み聞かせで別の人格を演じてみるのは、読み聞かせをする側にとっても面白い経験になります。場合によっては、人生が変わるくらいの気づきがあるかもしれません。
本を読まないお父さんから子どもたちへ読み聞かせる
何でもよいので、家にある絵本を子どもたちに読んであげましょう。
できるだけ感情をこめて読んであげてください。
わからないことがあれば、読み終わってから子どもたちに聞いてみてもいいでしょう。
聞いてくれる人に、どうしたら絵本の内容をうまく伝えることができるかを考えながら読むことが、自分のコミュニケーションについて見なおしてみるきっかけになるかもしれません。
子どもたちから親へ読み聞かせる
絵本でも物語でも漫画でもよいので、子どもにお話を聞かせてもらいましょう。
いつもは働きかけられる側の子どもたちに、相手に働きかける経験をしてもらい、こちらは子どもが何を考えているかを知るきっかけになります。
何を選んでくれるのか、どんな話を聞かせてくれるのか、楽しみになりませんか?
本を読まない人から、本を読まない人へ読み聞かせる
そもそも本を読む習慣のない人が、やはり本を読む習慣のない人に本を読んで聞かせることで、二人のコミュニケーションに新たなチャンネルを開くことができます。
相手がこんな人間だったのか、こんな考え方をするのかなどを知るのは、惰性で一緒にいる関係から一歩踏み出すことにつながるでしょう。
何を読むか、まったく見当もつかなければ、上で挙げた「夢十夜」から始められてはいかがでしょうか。