今週のお題「大人になってから克服したもの」
まず最初に、問うておきたい。
「大人って何? いつからが大人? わたしは大人になったの?」
二十歳が大人ならクリアしているけど、それを大人と呼ぶのも違う気がする。
まあ、そんな面倒くさいことはどうでもいいですね。
大人になって克服できたもの。
『人見知り』
ですかね。
現在の知り合いに
「わたしは人見知りで」
と言うと、とても微妙な顔をして、
「それ、もしかしてギャグ?」
と言われるのです。
ずっと私を見てきている親でさえ、そう言ってくるので、今の私が他人にどう見えているかおわかりいただけるのではないかと思います。
わたしをずっと見てきている奥さんは、さすがに「昔はそうだったよね~」と言ってくれるんですが。
わたしの感覚で言うと、大学入学前と大学卒業時で明確に変わっている気がします。
人見知りといいながら、コミュニケーション能力は高く、小学校のころから会長や委員長を任されることも多く、友だちもたくさんいました。
ただそれは対人折衝が得意だっただけで、新しい人と打ち解けることはなかなか難しかったのです。
自分の考えていることが他人に伝わらなかったり、誤解されたりすることが多くて、人と交流するより『すももかりんは静かに暮らしたい』と思っていたのです。
大学に入って、それまでよりだいぶ息がしやすくなりました。
なぜだろうと考えたら、自分の言葉をちゃんと受け取ってもらえることが増えたためでした。
それがなぜかをさらに考えると、周りがわたしの持っているのと同等の知識やノウハウを持っているからだということがわかりました。
わたしの言うことが他人に伝わらないことがあるのは、前提とする知識があるのが当たり前だと思ってしゃべっているからではないか、と考えたのです。
自分の知っている知識やノウハウを、他人が持っている前提で話して伝わらないのは、それを理解していない私に責任があるのです。
大学に入ったことで、相手にわかるように話すということに目覚めたのです。
それからなるべく一つのことを言うときに、いくつかの事例や砕き方でしゃべることを意識するようにしました。
専門知識の有無、一般常識の範囲、大学生や社会人、さらに職種や環境まで含めて説明できるように自分を訓練したのです。
けっこう有効だったのは、恋愛ネタに振り替えて説明することでした。この方法だと男性女性にかかわらず、かなりの理解度を得ることができました。
このように相手の状況を見て、説明の仕方を変えるようにすることで、それまで伝えることのできなかった多くの相手に理解してもらえるようになりました。
誰と話しても大きく外すことがなくなり、教授でも友人でも、会社の上司でも同僚でも、イベントで一緒になった人でも、さらには通りすがりの人にでも躊躇なく話しかけられるようになりました。
人見知りを克服したどころか、奥さんには「コミュ力お化け」と言われるほどになったのです。
ですが...
克服し過ぎて、何かあれば呼ばれてしまうような存在になっても、本質的にはやっぱり苦手です。
私は静かに一人で本を読んでいる方が好きなのです。