かなり前に発行された本なのですが、ネットでいろいろ見ている時に見つけて、内容を知りたくなって買った坂口恭平さんの「独立国家のつくりかた」をご紹介します。
坂口恭平さんは、路上生活者の家を集めた「0円ハウス」でも知られていますが、この「独立国家のつくりかた」は、0円ハウスを取材していく上で得た知見を基にして、人に寄り添わない行政に頼ることを止めて、自分たちで政府を立ち上げようという考え方を紹介する本です。
2011年に起きた東日本大震災で、福島第一原発がメルトダウンを起こした時、東京電力ばかりか政府も有識者も、目の前で起きていることの収拾に誰も具体的な行動を起こさなかったという事実が、現在の行政に対する不信につながります。
大きな災害が起こった時に、政府は人が生きていくだけの対応をすることができないという事実から、独立した互助機関を作ることを考え、それを新国家と呼称します。
できることをする集団を自分たちで作ることで、多くの人を肉体的にも精神的にもサポートできることが証明され、活動を続けていくうちに民間企業や地方の自治体で活動に賛同するところが現れてくるなど、これまでには考えられなかったことが起きます。
行動することで、坂口さんは既存のスキームを変えていこうとしており、実際に大きな枠組みに変化が起こり始めています。
私は自分の出来る範囲で似たようなことをしようと考えていましたが、日本全体までその範囲を広げてしまった坂口さんには脱帽です。