「ステイン・アライブ」は「 サタデー・ナイト・フィーバー」の続編です。
続編でありながら、作品のティストがまったく違うので初めて見た時はとまどいました。
ステイン・アライブ
「サタデー・ナイト・フィーバー」が華やかな表面の裏に、格差社会の下層から一生抜けられない層のあきらめのような余韻を感じました。
「 サタデー・ナイト・フィーバー」の続編ということで見始めた 「ステイン・アライブ」ですが、トニーはもうすっかりダンスで成功したいとマンハッタンに移り住んで、オーディションを受けまくっています。
コーラスラインや42ndストリートのような根性成り上がり映画の雰囲気がビンビンです。
シルヴェスター・スタローンが監督だからな、と思いながら見ていましたが、これがなかなか面白い。スポ根は真面目に作られていると、おもしろくなるケースが多いのです。
コーラスライン役に入り込めたトニーは、主役ダンサーの代役になるチャンスを得て、ラストのダンス・シーンになだれ込みます。
ここはものすごい迫力でした。私は映画はいつも一番前の席で見るポリシーがあるので、大画面を口をぽっかりと開けたまま、右から左へ首を振ってみていました。
ハプニングで壊れた舞台セットの上から「カモォーン!」と叫ぶトニー、最高でした。
大成功した舞台をあとにして、「俺のしたいことを知ってるか? 歩くのさ」と言い放ってそれまで絡んでいた女たちに鼻もひっかけずに歩き出し、その姿にかぶせてサタデー・ナイト・フィーバーが流れ出すラストでは、気持ちが上がって上がって、数日間その高ぶりがおさまりませんでした。
かっこう良すぎる…
おまけ
「ステイン・アライブ」は、ものすごくエネルギーに満ちている映画です。
色恋がストーリー全体にからんでいるのですが、トニー自身はその色恋にまったく執着していないようです。
自分がやりたいこと、踊りたい踊りを踊りきること以外にやりたいことはありません。
そのあふれ出る野心と踊りきる力が最大限に表現されており、見ているこちらの野心も奮い立たせてくれます。
サタデー・ナイト・フィーバーは社会派の映画っぽいティストがありましたが、ステイン・アライブは娯楽物といってもいいでしょう。そのためか、玄人筋でのこの映画の評価は低いようです。
でも、そんなことはどうでもいいんです。
ここまで人の心をゆさぶってくれるのであれば、わたしは無条件に大好きになってしまいます。
そして、一番重要なのが、だからといってステイン・アライブだけを見ては感動は半分以下になってしまうということです。
サタデー・ナイト・フィーバーを見たうえで見てこそ、ステイン・アライブのラストで感情の発火・爆発を味わうことができるのです。
こういう、
全編ビージーズのディスコミュージックが使われており、音楽も大ヒットしています。
この映画からディスコブームが始まった、インフルエンサー・ムービーでもあります。