今週のお題「名作」
この5月4日に唐十郎さんが逝ってしまわれました。
演劇や戯曲には、とんでもなくこちらの内部をえぐってくるものがあります。
うろ覚えですが、『少女仮面』の
「人生が夢で 舞台だけが華ならば 私はどこで死ねばいいの?」
というセリフは、江戸川乱歩さんの
「うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと」
と並んで、私の座右の銘となっています。
戯曲としては、山崎正和さんの『世阿彌』の
「鶯刺して嬉しやな 花は散らせて嬉しやな 三千世界に火を放ち この身ひとつが鳥ぞ花ぞと舞い狂う 意見さ申そうか」
も私のものの考え方の根底になっています。
思うことや考えることは、ある程度の極北に近づかないと心に響くものになりません。
ものごとの際(きわ)にこそ、私を歓喜させる宝石が潜んでいるのです。
演劇にすべてを捧げている人たちの数は驚くほどです。
報われる、報われないなんて関係なく、演劇は人を取り込んでしまいます。
そのような世界を創りあげてきた唐十郎さんの命日が、
寺山修司さんと同じなんて、なんて出来過ぎのカーテンコールでしょうか。
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