今週のお題「読書感想文」
暑くて寝苦しい夏の夜に読むのにぴったりな、竹宮ジンさんの「不条理なあたし達」をご紹介します。
百合系のお話なので、苦手な人もいるかもしれませんが、生々しいシーンがほとんどないのでそれほど違和感を感じることはないと思います。
主役の山中さんがとにかく恰好よいです。
とんがっていて仕事もできて、恋愛感情があっても自分のプライドを優先する強さ。
作者があとがきで、ネームが全く通らない時に脳内に山中さんが降臨して、そのまま描いたらネームが一発で通ったというのも頷けます。
山中さんは一人で千人の兵士にあたることの出来る強キャラです。
この人がこの人らしい行動をしていたら、おもしろくならないわけがありません。
この強キャラに対するのが、男子受けのいい種田さんです。
あー、ちょっと力不足かなと思ったんですが、これがどうして、なかなかのつわものでした。
「リア充死滅しろっ♪」
[助けてくださいのオーラ]
「やだ面倒くさいのオーラ」
「ホント他人に無関心なんだから」
「ふはっ…」
「ちょっ... なに笑ってんのよ」
「そうでもないと思いますよ
『ご結婚おめでとうございます』なんて
あたしに言って欲しいんですか?」
山中さんのドS具合が最高だったんですが、2巻に入ってからは少し穏やかになってしまい、種田さんの圧の方が強くなったのが少し残念でした。
2巻でおしまいになるのは少し残念ですが、これくらいの引きの方がよいのかもしれません。
二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ、で夢を見るのも悪くありません。