JP Road mirage - Sumomo Toxin / すもも毒素

現在波乱の真っ只中です。そんな中で実際にしたこと、感じたことを書いていきます。これが誰かの助けになればうれしいです。

読書感想文には、ほかの何を置いても取り組んでおく意義がある

今週のお題「読書感想文」

読書感想文は、小学校・中学校で子どもたちの頭を悩ませる課題のトップ3に入るのではないでしょうか。

私は昔から本を読むのが好きだったので、あまり苦労した記憶はありません。時々、理解力の少ない教師に通じなくて否定されることはありましたが、「ああ、この人はわからないんだ」と思ってやり過ごしてきました。

そんな経験から、人にものを教える教師が教わる生徒以下の場合があるというのは小学生のころから理解していたので、ネガティブになることはありませんでした。

 

読書感想文で子どもたちがつまづくケースは、大きく分けて二つあると思います。

「本を読んで、あらすじを描いてあるだけなのは読書感想文ではない」

「本を読んで、自分が感じたことを書きなさい」

なるほど、と思って、あらすじは絶対書かずに自分が感じたことだけを書いていくと、

「これじゃ、何が何だかわからないよ」

あんたがそう書けと言ったんじゃあ、と思いながらヘイヘイと聞き流すしかありません。

読書感想文を書くことの意義を理解もせずに決められたことだからと押し付ける教師にはうんざりしました。

読書感想文を書くことには、明確な意義があります。

あらすじ型の感想文でも、自分の意見型の感想文にも、それを書いて出すことで、一生使えるスキルの練習をすることができるのです。

あらすじ型の読書感想文

あらすじ型の感想文は、教師連からはあしざまに言われることが多いのですが、このタイプの感想文を書くことに慣れていくと、将来とても役に立つビジネススキルの向上につながります。

「あらすじなんて、その本を読んだ人なら誰でも同じものを書ける」

バカを言わんといてください。

 

本を読んでその内容を要約するのは、かなり高度な情報処理です。

本の感想を伝えるために、本の内容をほかの人が理解するためには、本の内容について触れなければならないと考えて、自分なりのストーリーの追い方でまとめるのです。同じになるはずがありません。

書き方は幼くても、自分なりの取捨選択があらすじ型の感想文にはあります。

 

「でも、本のあらすじをまとめる力なんて、何の役にも立たないでしょう?」

世の中には、本を読むことも、文章を読んで内容を他人に伝えることが全くできない人たちが大勢いるのです。

YouTubeやブログを見ると、ビジネス本や話題の本の要約を提供している人が大勢います。

なぜでしょう?

それを求めている人がたくさんいるからです。

なぜ求めるのか?

有用そうな知識が詰め込まれていることはわかるけれど、それを読解する力がないからです。

本を要約して伝える力を持っている人は、その知識を読解力のない人にも伝える力を手にしていることになります。

これこそ、あらすじ型の読書感想文をまとめる力の発展型です。

SNSでなくても、社内でも会議の結果などをまとめる、トップの指示を伝える時などにもこの力は役に立ちます。

自分の意見型の読書感想文

あらすじ抜きで自分の意見を書いたら、どの部分がどの感想に対応しているかがわかりにくいので、読み手に理解力と知識がないと真意をくみ上げることすらできません。

「あらすじは駄目」

というなら、それくらいの教師力を発揮してもらいたいものです。

この手の読書感想文のいいものを拾える教師もいますので、いたずらに絶望する必要はありませんが、そんな教師と巡り会えるかどうかは運に頼るしかありません。

 

で、この手の感想文を書くことに熟達すると、社会的にはあまり馴染めないタイプの人間になります。

いわゆる芸術家です。

理解できる人間にだけわかればいいというスタンスにならざるを得ず、必然的に世間一般の人々とは隔たっていってしまうでしょう。

それはそれで楽しい人生になると思いますが、サラリーマン社会にはなじめなくなりそうです。

どっちにしても怒られるので、好きに書けばよい

自己表現をバンバンとして、世間一般には認められなくても、自分と感覚の近い人たちと濃密な交流を果たせる楽しい人生を歩むにしても。

目立たず、静かに普通の会社員として暮らしていくにしても。

読書感想文を書くことで、さまざまなスキルを磨いていくことができます。

 

訳わからんと言われても、稚拙だと嗤われても、読書感想文を書くことには意義があります。

自分でも自信がなくても、書き続けることで上がるスキルはあります。

書かない人は、書くこと自体がどんどん難しい、高度なものに感じられていきます。

書いているだけで、書くことに対する敷居は下がります。

どんどん書きましょう。

 

書くことに慣れていくうちに、いつか自分が本当にみんなに読んでもらいたい本に出合った時に、それを読もうという気になってもらうことができるかもしれません。

さらに、自分の考えていることをわかりやすくまとめて、大切な人に伝えることもできるようになるでしょう。

いやだな、と思っている読書感想文はそんな未来につながっています。

へたくそでもいいんです。

書きましょう、まずは。