今週のお題「怖い話」
きょうも熱中症の警報が出るような暑さでしたが、体感的にはそれほど暑さを感じませんでした。
空気が乾いていたせいでしょうか、そのまま倒れるほどではありませんでした。
それでも、夜になっても外気温は33℃くらいあるので、やっぱり夏ですね。
カブトムシ採りが大好きでしたので、夜の闇は怖くありませんでした。
間遠な外灯に集まる虫たちの中にカブトムシを捜して田舎の夜の道を歩きましたが、超自然的な恐怖はほとんど感じませんでした。
それでも集落のお墓の横を通るときは見ないようにしながらも、ついちらちらとそちらを見てしまったりしました。
それなりに最近まで土葬もあったということだったので、人魂が見えるのではないかと思いましたが、一回も見たことがありません。
私の母は、若いころに実家の裏手から見える山すそを、弾みながら動いてゆく大きな人魂を見たそうです。
実際に不思議なものを見たことはありませんが、集落の外れの最後の外灯のところまで行くと、そこから先ずっと続く闇は濃さが違い、人のいる領域とそれ以外の領域にくっきり分かれていました。
山に近いのに、その外れの外灯でカブトムシを見つけたことはまったくありません。
それほど物を怖がらない子どもだったのですが、犬は苦手でした。
犬に追いかけられて、川に飛び込んで逃げたこともあります。
話が通じない感じが嫌だったような気がします。
そういえば一度だけ、ほんとうに怖かったことがあります。
父親の実家に行く時に、山崩れがあって電車が止まっていたため、バスを乗り継いで行かなければなりませんでした。
父親は仕事の都合で一緒に来られず、母親と私と、まだ歩けない乳児だった弟の3人で先に実家に向かうことになりました。
山の中でバスを降りてから、次のバスの乗り継ぎまでけっこうな距離があり、小学校に上がる前だった自分はあまり早く歩けませんでした。
母は弟を背負って荷物を持っており、遅れ気味の私に怒って、さっさと先に行ってしまいました。必死で追いかけましたが、曲がり角で母は見えなくなってしまいました。
左側は山肌で、右側は崖で、何とか通れるようにしただけの道はデコボコで、人家などははるか彼方の場所です。
私は母に愛想をつかされて捨てられたのだと思い、座り込んで泣いていました。
夜になれば獣も出るだろうし、どうしようもなくなったら崖に飛ぼうと考えたりしていました。
しばらくして母が戻ってきてくれました。
バス の時間が迫っていたので、とりあえず発車を待ってくれるように運転手さんに頼むために先に行っていたと聞かされましたが、この時の恐怖は今も忘れられません。
母も必死だったのでしょうが、こればかりは私のトラウマになって今も残っています。