きょうは昨日と打って変わってとても暑くなりました。
陽射しが入ってくると、エアコンを効かせていても汗がにじんできます。そろそろ本格的な夏になるのでしょうか。
私にとっての宝物は何でしょうか。
好きだったモノや大切だったモノはたくさんあります。
森に落ちている光るドングリや木の幹で光るカブトムシ。道端で拾った光線銃の形をした木切れや、自分で作ったプラモデル。一所懸命描いた絵や、友達からもらった変なモノ。わたしをどこにでも運んでくれた自転車に、初めてもらったラブレター。自分で買ったレコードに、針を落とすステレオ。自分で時間と空間を切り取って定着できるカメラや8ミリカメラ。とてもスピードの出るスキーや、日本を横断できるオートバイ。ずっと乗り続けても疲れないスポーツカー。
とても大切な宝物でも、モノはいつか消えていきました。
それでも、その宝物たちは、未だにしっかりと私の中に残っています。
虫が出てきて捨てられてしまっても、森の木漏れ日の中で見つけた金色のドングリ、緑色のドングリ、帽子をかぶったドングリ、とても小さいのに完璧な形のドングリを見つけた時の喜びと、大切に持って帰ったことを、私はしっかり覚えています。
自分でやったことや友人と過ごした時間、ずっと考え続けたことと光の中で見つけたもの。
そこになくても見えるもの、そこになくてもさわれるもの。
見えないものを思いながら、私はそれらのことを書いていきます。
書くことで、宝物はそこに定着し、誰かがそれを見て自分の宝物のことを思い出してくれます。
宝物はみんな、過去のその時間で待っています。
いつか誰かが思い出してくれることを。
私はそれらに出会うたびに、胸を締め付けられて自分が幸福だったこと、自分が幸福であることを再確認するのです。
実際のモノがなくても、それはずっと昔になくなってしまったものでも、私が覚えている限り、それはそこに存在しています。
「星の王子様」にも有名なセリフがあります。
「いちばん大切なものは目に見えない」
大切なものは、モノそのものではなく、それにまつわる物語なのです。
名前を知っていても、実際に読んでいない人は多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでみてください。読むときの年齢に応じて、感じることが変わってくるので、何回も読み返してください。
恋を知る前とふられた後、結婚してから、子どもができてから、人に裏切られた時、大事な人が亡くなってから。
この本はいつでもあなたを少し助けてくれると思います。
サン=テグジュペリが自分で描いた絵の岩波書店版がおすすめです。