いつの間にやら58巻まで来てしまった椎名高志さんの「絶対可憐チルドレン」です。
小学生編から始まったこの連載も、今ではチルドレンも高校生になってしまいました。
どこまでいくのか、何巻で終わるのかハラハラしながら読んでいましたが、アニメ化もされ、一定の人気が出ているようでうれしい限りです。
椎名高志さんはいつも目線がやさしいので、見ていてストレスにならないのです。
特に絶対可憐チルドレンは、これでもかというくらいに子どもたちを大切に思う気持ちが伝わってきます。
根がスケベなので時に無意味なHシーンもありますが、本質的には慈しむ気持ちが勝っていて、不快に感じることはありません。
もう一つの代表作である「GS美神 極楽大作戦!!」の方がはっちゃけていた分、人気は高かった気がします。
GS美神でも 究極純情乙女のおキヌちゃんが大人気でしたが、今回の3人娘、明石薫、野上葵、三宮紫穂は3人ともその正当な後継者と言ってよいでしょう。
三宮紫穂は性格が悪そうに見えますが、サイコメトリーで人の暗黒面を見すぎたせいであり、本当はいちばん純粋な心を持っている気がします。
次々と登場してくる登場人物たちも魅力的です。椎名さんは悪人が描けないらしく、それぞれの事情も見えてきて、救いの手が差し伸べられます。
こんなに救って収拾がつくのかと思いますが、椎名さんなら広げ切った大風呂敷をうまく収めてくれるでしょう。
個人的に好きなキャラクターは、脇の人に多いですね。
- 筑紫 澪 ものすごく真面目でおバカかわいい子です。きっととてもいい子になります。
- パティ・クルー 「アキバの平和は私が守る!」のセリフが泣けます。
- ナイ この子には幸せになってほしい。
- J. D. グリシャム 「こんな話を知っているかね」
みんなどこかに大きな傷と影を背負っていますが、椎名さんの描く姿はとても前向きで、きっといつか、みんな幸せになる日が来ると感じさせてくれます。
年配のグリシャムさんは、もう幸せになっていますし。
今回のお話では、硬く凍り付いていて前に進まなかったものが、融けそうな気配を見せていて、そろそろ終わってしまうのかなと期待と不安を感じさせられました。
そこでまたあの子を出してしまうのが、いかにも椎名さんです。男の子、女の子に関わらず、みんなを等しく救ってあげないと気が済まないんでしょうか。
次のお話も期待しています。
椎名さんのマンガの中でいちばん好きなのが「蜘蛛巣姫」です。
ヤツメみたいな女性はどうあっても幸せになってもらいたいものです。