そばに置いておいて、何度でも開いたページから読み始めてしまう不思議なお話たちが集められた、cocoさん、日高トモキチさん、玉川数さんの書かれた「里山奇談」をご紹介します。
私自身も子どものころは山のそばで暮らしていた期間が長かったので、不思議な経験をいくつかしています。
このシリーズのお話を読んでいると、いくつも自分が経験したのに近い話が出てきます。
気のせい? いいえ、それは確かにあるのです。
これまで出ている本の中で、私が気に入っているお話をいくつかご紹介します。
里山奇談
初恋
山の中で会った知らない子どもと仲良くなることはあります。長野の美術館に行った時に、本館までの林の中で虫取りをしている子どもたちに出会い、意気投合して虫を捕る方策を検討していたら、後ろで奥さんがすごく複雑な顔をしていました。
「通報されるんじゃないかと思った」
そうなのか。普通はそうなのか。子どもは子どもと会うと、仲良くなってしまうのです。
エド
山の中や集落の外れに、入ってはいけない場所はあるんです。
神木と御鈴
力を持っている人はいます。はた目にはまったくわからなくても。
おまっしらっさん
山のモノと人が共存していることもあります。
山野辺行道
子どものころに参加したお嫁入りの行列は別のモノだったというお話ですが、子どもの純粋な祈りはそのままいろいろなものを救ってくれるのです。泣きそうになるほどいいお話でした。
松虫
子どもの頃の友だちはいいものです。たとえ名前を忘れてしまっても。
文明の利器が不思議な出来事を伝えてくれます。
長くなりすぎました。面白い話ばかりなので、選んでいるだけで時間が経ってしまいました。
「里山奇談 あわいの歳時記」、「里山奇談 めぐりゆく物語」については、また次の機会にご紹介しましょう。
現在は3冊まで刊行されていますが、これからもいろいろなお話を聞かせていただきたいと期待しております。
いつもはキンドル版をご紹介するのですが、これは紙の本を小脇に抱えて山の道を歩いてもらいたいので、紙の本を先にします。この本を読んで、山の中を歩いていると、いつもは見逃している不思議なモノに出会えるかもしれません。