JP Road mirage - Sumomo Toxin / すもも毒素

現在波乱の真っ只中です。そんな中で実際にしたこと、感じたことを書いていきます。これが誰かの助けになればうれしいです。

小学生のころ、数時間入り浸っても飽きることのなかった文房具屋さん

今週のお題「好きなお店」

小学生のころ、そこに行ったら1時間でも2時間でも過ごせる場所がありました。

文房具店です。

小学生一人で行く店は、ほかにもおもちゃ屋と本屋がありますが、そちらはそんなに時間をかけませんでした。

おもちゃ屋に行っても、いつも10分も見て回ると飽きてしまい、目当てのプラモデルを買ったら終わりです。

本屋は小学生の頃は少年マガジン少年チャンピオンを買う場所と決めていたので、その二つを見て、おもしろい方を買って出てしまいます、

 

そんな私が文房具店に行くと、すべての棚を念入りに見て回り、1時間から2時間かけてあらゆる事務用品、文房具を吟味して回りました、

親の仕事が設計関係だったので、家にはマニアックな製図用品がたくさんあり、それで遊ぶのに慣れていたせいもあるのでしょうか。

計算尺にスライド式コンパス、三角スケールとテンプレート、字消し板に羽根ボウキなど、見ているだけで楽しいものばかりでした。

見てまわるのは製図用品だけではなく、カラーの紙テープや箱入りの輪ゴム、十数段階の濃さのある鉛筆、砂消しゴムや色紙、色画用紙に模造紙、硯に固形墨、色鉛筆やノート、方眼紙に万年筆、ボールペンにルーズリーフ式ノート、山ほどの種類の封筒やいつも見ている文房具や事務用品と少しずつ違う専用のアイテムなど、どれだけ見て歩いても飽きませんでした。

2時間真剣に見て回り、最後におそらく絶対に個人の家では必要のないと思われる12色のマジックインキを大事そうに持ってきて買っていく小学生は、店主さんから見ればけっこう奇妙な子供だったでしょうが、追い出されたり文句を言われることはありませんでした。

とてもいい時代だったのだと思います。

何回も何回も文房具店を訪れて、箱入りの輪ゴムや9Hと6Bの鉛筆などを手に入れて、大事に持って帰りました。

 

中学校くらいまでは、そんなふうに定期的に文具店に入り浸っていたのですが、年齢が上がるにつれて入り浸るお店が本屋に変わっていきました。

学校帰りに、棚の3つしかない本屋で、店主さんが座っている横で2時間かけてマンガを5巻立ち読みし、満足して買って帰ったこともありました。その時も、立ち読みを注意されることなく、存分に読ませてもらえました。

やはりいい時代でした。

 

年齢を経ていろいろな知識を得、文具や事務用品の役割を知ってしまったら、文具店に入っても必要な棚に行って必要なものを選んで買うだけになってしまいました。

かつてのように、2時間も3時間も過ごすことはできなくなりました。

 

そこにあるものの用途がよくわからないけれども、それを手に入れるとすばらしい世界が開かれそうなお店。

今も少しそれに似たお店があります。

たとえば東急ハンズや大きなホームセンターです。

あそこに行くと、少しだけ子どもの頃のわくわくを思い出せる気がするのです。