JP Road mirage - Sumomo Toxin / すもも毒素

現在波乱の真っ只中です。そんな中で実際にしたこと、感じたことを書いていきます。これが誰かの助けになればうれしいです。

サブタイトルがよろしくない「三日月邸花図鑑 花の城のアリス」白川紺子

お題「我が家の本棚」

後宮の烏」の続編が出たばかりなので、続きが当分読めません。

烏妃成分不足を補うため、著者の白川紺子さんの別の作品を読んでみることにしました。「三日月邸花図鑑 花の城のアリス」です。

タイトルがタイトルなのでどうかとは思いましたが、内容はふわふわメルヘンではありませんでした。

 

親が亡くなって、実家に帰ってきた主人公の光一はそこで暮らすことにします。実家には大きな庭があるのですが、父親の遺した唯一の遺言は「庭に誰も立ち入らないこと」でした。その遺言に首をかしげながらも、光一は実家で探偵事務所を開きます。

その探偵事務所に、最初に訪れたのは小学生くらいの少女でした。

その少女は以前から光一のことを知っているようで、謎を解いてもらうために光一を庭に連れて行きます。そこから光一はいくつもの不思議な謎解きをしていくことになります。

 

章立てのタイトルがすてきなので記しておきます。

第一章 半分の約束

第二章 人喰いの庭

第三章 金の鈴鳴らして

第四章 朽ちる日まで

哀しい思いをしている依頼者を助けるために、光一は謎解きを進めますが、その過程で庭の秘密が自分の過去と大きくかかわっていることに気づいていきます。

あまり感情を動かすことなく、人やことを飄々と受け入れる光一が、初めて心の底から怒るのは、自分のために他人が負った仕打ちに対してでした。

 

サブタイトルですが、「花の城のアリス」というタイトルで私はずいぶん読むのを躊躇しました。これはよくない。

このお話はふわふわメルヘンではなく、伝奇小説、伝奇メルヘンとでも呼ぶべきものです。このお話の本来の読者層は、このタイトルにアレルギーを感じるような気がします。「三日月邸奇譚」の方が集客できる気がします。余計なお世話ですが。

 

白川紺子さんの著書では、「契約結婚はじめました」も気になったのですが、アマゾンでも楽天ブックスでも品切れ中です。できるだけ著者に還元したいため、ブックオフでは買わないようにしているので、古本はなしです。やはりそろそろ電書の導入を考えなければいけないのでしょうか。