JP Road mirage - Sumomo Toxin / すもも毒素

現在波乱の真っ只中です。そんな中で実際にしたこと、感じたことを書いていきます。これが誰かの助けになればうれしいです。

ドッペルゲンガー奇譚

今週のお題「激レア体験」

まっとうな人生を歩んできている私には、あまり激レア体験というものがありません。

誰よりも長く一緒にいる相方は、私がいっしょにいることでたくさんの激レア体験をしているというのですが、これはいったいどういうことなのでしょう。不思議なものです。

わたし自身の激レア体験をひとつ思い出しました。ドッペルゲンガーに会った話です。

ドッペルゲンガーというのは、自分とそっくり同じ人間で、それに出会ってしまうと死んでしまうというモノです。

ここで私が生きているからおわかりのように、私が私のドッペルゲンガーに会ったわけではありません。私のドッペルゲンガーに友人が会ったお話です。

 

 

私は中学、高校と電車通学をしていました。新潟の魚沼で、1時間に一本しかない電車で45分くらいの通学でした。

同じ学校に通っている友人たちと、行きはだいたい同じ電車に乗っていました。1年下に、やたらなついてくる後輩がいて、けっこういなすのに苦労していた記憶があります。

高校の時に、途中の駅から乗ってくる友人が「そういえば」と話しだしました。

友人「おまえ、きのう何時に帰った?」

私「5時の電車だけど」

友人「おれはその後の電車だったんだけど、逆方向の電車をお前が待ってたんで、あれと思ったんだ」

私「いや、いつわりなくとても誠実に真っ直ぐ家に帰ったが」

友人「どう見てもおまえだったんだよな。顔もそうだし、仕草や雰囲気がおまえそのもので」

後輩「先輩、何か言えないようなことをしてたんですか?」

私「そんなに楽しい経験は、ここしばらくしていない」

友人「どう見てもおまえだったんだけどな」

私「だんだん気になってきた。どんな格好してた?」

友人は少し上を向いて、思い出しているようでしたが、

友人「コートにスカートだった」

私「おれはスカートは履かない」

友人「そうだよな。女だったわ、そいつ」

私は頭を18センチくらい落としました。

私「どう考えても俺じゃない」

友人「そうだよな。何でそう思ったんだろう。絶対にお前だと思ってた」

後輩「先輩、そういう趣味があるんですか? 一度見せてください」

私「話を聞いてないだろ、おまえ」

友人「ひょっとして、おまえに」

私「姉はいないし、母はそれなりに年増だ」

友人「ぬぬぬ… 何だったんだろう」

後輩「先輩、今度私とデートしてください。先輩なら男のままでいいです」

私「お前は何を言っているんだ」

ちなみに後輩は男です。

 

これだけなら勘違いでいいのですが、大学に入ってから、サークルの友人に同じようなことを言われました。

友人「昨日一番町でお前を見かけたんだけど」

私「昨日は大学と部室と家にしか行っていない」

友人「間違いなくお前だと思ったんだけど」

私「他人の空似だろ」

友人「でも、間違いなくお前だと思ったんだよな。仕草や雰囲気がそのままだったし」

私「何時くらいに。一番町には行ってないけど」

友人「9時過ぎくらいかな。確かに珍しく派手なかっこうだったけど」

私「派手な」

友人「けっこう派手なミニスカートで」

私「ミニスカート」

友人「ミニスカート… おまえ、持ってないよな」

私「間違いなく持ってない。そういう趣味はない」

友人「そういえば女だった。本当にそっくりだったんだけど」

どうやら、私には性別の異なるドッペルゲンガーがいるようです。くれぐれも会うことがなくてよかったと思っています。まあ、これから会ってしまうこともあるかもしれませんが、その時は死んでしまうからいいかな。かなりショックのような気もするので。