今週のお題「わたしの部屋」
私にとって、自分の部屋はそれほど重要な感じはありません。
友人と話していると、他人のいない自分だけの空間にいる時間がないと死んでしまう病の人もいるようですが、私はそうでもありません。
おもしろい本があると、家族のいる居間でも、電車の中でも、公園でも、喫茶店でも、どこでも自分の世界に入り込んでしまえるのです。
お話を考えている時も同様で、声をかけられたくらいでは部屋のドアは開かず、肩をたたかれたりして初めて現実世界に帰還します。
事前に何時くらいになったら現実に戻ると決めておくと、脳内タイマーが起動して教えてくれるので、電車の駅を乗り過ごしたりすることはほとんどありません。
そのように、私にとっては世界中どこでもマイルームになるので、海外出張に行ってもどこに行っても時間を持て余すということがありません。
強いて言えば、決めることも明らかになっていない会議に、主担当でもないのになぜだか呼ばれて、あと1時間拘束されるというようなときには時間を持て余してしまうので、積極的にかきまわしたりします。だって暇なんだもん。
こういう行動をしていると、もったいをつけるために頭数を集めているような会議には声をかけられなくなり、真剣に方向性を決めようという会議だけに呼ばれるようになり、時間を有効に使うことができるようになります。
会社から家に向かう通勤電車の中でマイルームを開き、中に入ってドアを閉めます。
ドアの外には死体が転がっていたり、大事な人の帰りを待っていたり、宇宙空間で次のミッションを待っていたり、8万の軍勢にかこまれていたり、歳経りた精霊の化身が控えていたり、名状しがたいものを遠望したりしているわけですが、このひとときは何ものにも代えがたい時間です。
物理的な自分の部屋も大事なのかもしれませんが、仮想的な自分の部屋を持っていると、物理的な空間はそれほど気にしなくてよくなります。
読書をすると、文章から起こして自分の中にビジョンを結ぶことができるようになります。
いわゆる読解力と想像力が育つわけです。
この読解力と想像力がつくと、 文章だけでなく、自分の知らない事象、実際の現場を見て、話を聞いて、現在のビジョンを作り、次にそれを改善するビジョンを作って逆に対策を起こして提案することができるようになります。
ビジョンがあるので、相手にわかりやすく説明することもでき、理解に間違いがあればそれを修正することも簡単にできます。
このあたりをうまく使って、現場の人に喜んでもらえる情報システムの適用・改善活動を行ってきました。
よい小説やドキュメントをみると、速やかに、とても鮮やかにビジョンを結ぶことができます。
お話の中で他人の人生を追体験し、自分のもののように感情を揺らして、あらゆる時間、あらゆる時代、あらゆる空間でひとつの生を過ごすことができるので、人生で予想外のことが起きてもうろたえることがありません。なぜなら、その出来事はある書物の中でもう経験しているのですから。
現実に起きた人生に即時に対応していけるのは、私を評価してくれる人たちが共通して認めてくれているところです。それはそんなに難しいことではありません。もう体験していることだからできるだけなのです。
ビジョンを作るのは、ある種チートともいえる能力ですので、機会があれば強化しておいておかれるとお得です。