しごとの思い出は山ほどあります。うれしかったこと、楽しかったこと、腹が立ったこと、自分が情けなかったこと、どれも数えきれません。
それらすべてを超えて言えるのは、途中でしごとを投げ出さなくてよかったということです。
今でも覚えている仕事に、IT業務の社内紹介イベントがあります。
普通の会社に入って、情報システム部門に配属され、社内システムの開発から運用までをやってきました。プログラマからSE、抽象化が得意だったのでプロジェクトマネジメントやIT監査業務なども任され、ベテランといえる年齢になった時に、ユーザ部門のニーズ吸い上げなどを行う社内営業的な仕事をアサインされました。
個人的には自社の運用を世界標準のプロジェクトマネジメントに合わせていくという仕事にやりがいを感じており、もう少し極めていきたかったのですが、マネージャーが一人メンタルを病んでしまいました。私はその人を知っており、ずいぶんとがんばっていたことも知っていたので、ゼネラルマネージャーから私にその穴埋めの打診が来た時に、すぐに引き受けました。
主な仕事は情報システム部門の予算実績管理と、情報システムを使う人たちに、それぞれの部門に有効なシステムを提案して使ってもらうよう働きかける社内営業です。
社内営業の一環として、IT業務の社内紹介イベントを年に1回行っていたのですが、そのイベントのマネージメントを任されました。
企画の立案から実施までの段取りを作り、マネージャーたちの承認を得ながら紹介するシステムを選んで、それぞれのタスクの担当者を決めてお願いし、外部業者との交渉をしながらイベント会場を押さえて、総務部と調整し、宣伝を行い、進捗管理を行い、印刷物を発注し、といった具合でした。
これらすべてを、通常業務をやりながらやるわけですが、同じ部署の人や情報システム部門のキーパーソン、利用者部門の知り合いが手を貸してくれたので、何とかやりぬくことができました。
しかし、わたしは人を使うのがうまくなくて、頼むと申し訳ない気がしてついつい自分でやってしまうのです。このため、さすがに過負荷になって腰や身体を痛めてしまい、これが早期リタイヤの決断条件の一つになりました。
わたし自身が私をいちばん信用できなかったということです。
それでも信頼できるメンバーのおかげで、イベントは成功裏に終わらせることができました。サポートしてくれたみんなには、いくら感謝しても足りません。
お仕事に励んでおられる皆様、自分では手に余る仕事をアサインしてもらったら、ぜひ引き受けて下さい。自分でも知らなかったあなたのいいところをたくさん引き出してもらえるチャンスです。
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